晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

ーおすすめ記事ー
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト

『クジラの彼』:有川 浩|自衛官の恋愛に心が引き寄せられる

自衛隊を舞台にしたラブコメ。有川浩の持ち味がたっぷりと楽しめる作品です。6編の短編から成る短編集。登場人物は自衛隊員。自衛隊員という縁遠い世界の人々の恋愛模様を、甘く描いています。まるで、高校生のような初々しさすら感じさせるほどです。ドロ…

『オー!ファーザー』:伊坂幸太郎【感想】|家には父親が四人いる!?

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「オー!ファーザー」の感想です。 ゴールデンスランバー以降、作風が変化している伊坂幸太郎。しかし「オー!ファーザー」は、以前の伊坂幸太郎らしさが前面に出た作品です。 読者をニヤリとさせる会話の応酬。 伏線を張…

定期「2018年6月(水無月)」の読書本

梅雨の季節。蒸し暑い環境の中で読んだ本は、7冊でした。部屋の中で、冷房を効かせて本を読む。そんな環境でないと、なかなか本に集中できない。集中力のなさが際立ちます。それでは、6月の読書本のおすすめを。 おすすめ度★★★★★ ハーモニー 伊藤計劃 空飛…

映画「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」を観た

「ローグワン」に続く、スター・ウォーズのスピンオフ作品。「ハン・ソロ」は、監督交代やアメリカでの興行成績の苦戦などマイナスイメージが強い。スター・ウォーズというブランドがあるから、興行成績が全く振るわないということはないでしょう。しかしそ…

『旅猫リポート』:有川 浩【感想】|サトルとナナの最後の旅

勘のいい人なら物語のかなり早い段階で、主人公の悟がナナを飼えなくなった理由に気付きます。遅くとも「Report-03 スギとチカコ」の章でのトラマルの台詞で、確実に気付くでしょう。ナナを飼えなくなった理由が単なるリストラでないことを。 悟とナナを待ち…

2011年本屋大賞の受賞作

2010年11月〜2011年4月にかけて実施された第8回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉 【得点:386.5点】 2位 『ふがいない僕は空を見た』窪美澄 【得点:354.5点】 3位 『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦 【得点:310…

『風に舞いあがるビニールシート』:森 絵都|人にとって大切なものとは何なのか

第135回直木賞受賞作。森 絵都の作品は「カラフル」を読んで以来、2作目です。カラフル」は中高生向けの印象でした。本作は6編から成る短編集です。それぞれが独立した話であり、全く関係性がありません。しかし、6編には共通するテーマがあると思います…

『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』

本格ミステリ。この言葉の定義は、一言で言い表すには難しい。物語中に提示された謎を解くことに重きが置かれた小説のことだろうか。その謎の難解さと、それが明かされた時の納得感が見事な作品が本格ミステリーなのかな。 この本に掲載されている7人の作家…

『空飛ぶタイヤ』:池井戸 潤|巨大な企業に戦いを挑む

物語の発端となる事故。事件と言ってもいいかもしれません。走行中のトラックのタイヤが外れ、そのタイヤの直撃を受け母親が死亡し子供が軽傷を負う。この事故を聞き、多くの人がある事故を思い浮かべるはずです。2002年1月10日に横浜で起きた痛ましい事故で…

映画「ハーモニー」を観た

こんにちは。本日は、伊藤計劃氏原作小説の映画「ハーモニー」の感想です。 小説が映画化された時、最も頭を悩ませるのがどちらを先に読む(観る)べきか。ハーモニーは、その悩みをずっと引きずっていました。小説も映画もかなり前から所持していましたが、…

『i』:西 加奈子|この世にアイは存在しません。

読後には、何とも表現し難い感情が心に残りました。感動と一言で言えるほど、単純な気持ちではない気がします。では、感動でなければ何なのか。結末に対する喜びでもなく、納得でもなく、考えさせられるということでもない。主人公のアイに対する純粋な共感…

『夢見る黄金地球儀』:海堂 尊|黄金地球儀を巡るドタバタ劇

海堂尊と言えば「医療ミステリー」を思い浮かべます。現役医師である海堂尊だからこそ描ける作品です。「夢見る黄金地球儀」は、医療から離れ、黄金地球儀を盗むドタバタコメディ劇と言ったところでしょうか。ドタバタ感とコメディ感が、やたらと目立ちます…