人気作家の一人である「辻村深月」さん。彼女が新刊を出版すると、それだけで話題に上がります。これまで出版されてきた素晴らしい作品が、現在の地位と人気を築いているのでしょう。 長編だけでもかなりの作品数です。私も全てを読んでいる訳ではありません…
第14回本屋大賞5位の「桜風堂ものがたり」の続編。桜風堂で働くことになった月原一整のその後だけでなく、銀河堂書店の書店員たちのその後も描かれています。書店員である彼らを描くことで、町の書店が置かれている厳しい現状をテーマにしているのは前作と…
木城ゆきと氏の「銃夢」は読んでいません。原作との比較は出来ませんので、純粋に映画だけの感想になります。原作を知っている方はいろいろ思うところがあると思いますが、原作を知らない者の感想ということでご容赦ください。 映画『アリータ:バトル・エン…
第15回本屋大賞第2位のミステリー小説です。ミステリー小説でありながら、ヒューマンドラマとしての側面を強く感じます。死体遺棄事件の謎を解明するミステリーですが、序章の段階で事件に関わる人物が特定されています。異例の経歴を持ってプロ棋士になっ…
こんにちは。本日は、知念実希人氏の「ひとつむぎの手」の感想です。 2019年本屋大賞ノミネート作品。大学病院の心臓外科を舞台に描かれる生々しい医師の姿は、医師である著者だからこそ描けるのでしょう。ミステリーの要素を含みながらも、医者の矜持を描い…
読後の喪失感が胸を強く圧迫しました。村社会の実態が明らかになるにつれ、息が詰まるような閉塞感が襲います。ムツシロ・ロック・フェスティバル(ムツシロック)という開放的で躍動感溢れるロックフェスを始まりにすることで、その後の睦ッ代村の閉鎖性が…
2017年11月〜2018年4月にかけて実施された第15回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『かがみの孤城』辻村深月 【得点:651.0点】 2位 『盤上の向日葵』柚月裕子 【得点:283.5点】 3位 『屍人荘の殺人』今村昌弘 【得点:255.0点】 4位 『たゆたえども沈ま…
杉村三郎シリーズの第一弾。読者は杉村三郎の視点を通じて、事件の真相に迫っていきます。杉村三郎は普通のサラリーマンです。特別な能力を有していないので、彼の視点で描かれる世界は馴染みやすい。彼が考えていることも共感しやすい。謎が輻輳していても…
2019年最初の月の読書本です。1月の読書本は6冊でした。最近は月10冊に届かないペースです。読みたい本はたくさんあるのですが、読書ペースが追い付いていかない。1月は「図書館の魔女」を読むのに時間を費やしました。それではおすすめ度を紹介します。「お…
「図書館の魔女」の続編。前作は、ニザマ・アルデシュ・一の谷の三国和睦により戦役が回避され、ニザマの宦官宰相ミツクビを失脚させたところで終わりました。三国和睦の実現で、物語を一区切りさせた印象です。宦官中常侍の失脚で、ニザマに政情不安による…
以前読んだ「甲賀忍法帖」がかなり面白かったので、本作を読みました。続編ではないのですが、同様に楽しませてくれるだろうと期待は大きかった。細かい設定は抜きにして、本作は忍者対武士と言えます。甲賀七忍と四代将軍家綱の落胤「葵悠太郎」との戦い。…
2019年2月1日に劇場公開されます。映画化される小説が未読の場合、いつも頭を悩ませるのがどちらを先に読むか(観るか)という問題です。「空飛ぶタイヤ」の時も同じ悩みを抱えた気がします。結局は小説を先に読むことにしましたが、どちらが正解だったのかは…