晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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2022-01-01から1年間の記事一覧

『硝子の塔の殺人』:知念 実希人【感想】|謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、知念 実希人さんの「硝子の塔の殺人」の読書感想です。 本格ミステリーを意識した作品です。クローズドサークルで起こる連続殺人や様々な職業の招待客。巻頭に掲載されている建物の構造や平面図、登場人物一覧な…

『羊は安らかに草を食み』:宇佐美まこと【感想】|それでも消せない”秘密の絆”があった

ご覧いただきありがとうございます。今回は、宇佐美まことさんの「羊は安らかに草を食み」の読書感想です。 穏やかなタイトルから想像できないくらい重い内容でした。認知症、太平洋戦争敗戦後の満州の混乱、家族の在り方。人生を振り返る重厚な内容に加えて…

『麦本三歩の好きなもの 第二集』:住野 よる【感想】|あいかわらずだけど、ちょっと新しい日々

ご覧いただきありがとうございます。今回は、住野 よるさんの「麦本三歩の好きなもの 第二集」の読書感想です。 前作に引き続き、主人公「麦本三歩」の好きなものを描いた短編集です。12の短編があるので、各短編はかなり短い。なので気楽に読めます。 図書…

『invert 城塚翡翠倒叙集』:相沢 沙呼【感想】|すべてが、反転。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、相沢 沙呼さんの「invert 城塚翡翠倒叙集」の読書感想です。 2020年本屋大賞第6位に選ばれた「medium 霊媒探偵城塚翡翠」の続編です。中編の倒叙ミステリー集で、3編の物語で構成されています。倒叙ミステリー…

『なぜ秀吉は』:門井 慶喜【感想】|世のすべてを狂乱させる正気の人

ご覧いただきありがとうございます。今回は、門井 慶喜さんの「なぜ秀吉は」の読書感想です。 豊臣秀吉を描いた時代小説は多い。描かれ方も様々です。好意的に描かれることもあれば、冷酷で残忍な側面が描かれることもあります。多様な捉え方ができる人生と…

『52ヘルツのクジラたち』:町田 そのこ【感想】|何も届かない、何も届けられない

ご覧いただきありがとうございます。今回は、町田 そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」の読書感想です。 2021年本屋大賞受賞作。最初に気になるのがタイトルです。「52ヘルツのクジラ」とは何なのでしょうか。 物語の早い段階で、意味するところは語られま…

『ドクター・デスの遺産』:中山 七里【感想】|生きる権利と死ぬ権利が平等にある

ご覧いただきありがとうございます。今回は、中山 七里さんの「ドクター・デスの遺産」の読書感想です。 犬養隼人シリーズの第4作目です。刑事もののミステリーですが、本作では安楽死をテーマに生きる権利と死ぬ権利について深く踏み込んでいます。 姿の見…

『クスノキの番人』:東野 圭吾【感想】|その木に祈れば、願いが叶う

ご覧いただきありがとうございます。今回は、東野 圭吾さんの「クスノキの番人」の読書感想です。 クスノキに秘められた謎が重要な要素ですが、ミステリーでははなくヒューマンドラマの印象が強い。登場人物の心の機微が丁寧に描かれているからでしょう。読…

『オルタネート』:加藤シゲアキ【感想】|私は、私を育てていく。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、加藤シゲアキさんの「オルタネート」の読書感想です。 2021年本屋大賞第8位。第164回直木賞候補にも選出されています。三人の高校生(一人は中退している)が主人公の群像劇です。 三人の物語は独立しているよう…