晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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ファンタジー・SF

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』:村上春樹|ふたつの世界の関係性は一体・・・

「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」のふたつの世界を舞台にした物語が、交互に語られていきます。小説の構成上、交互に描かれていますので同時進行的に語られていきます。しかし、同時に語られているから同じ時間軸で同時に起こっているこ…

『虐殺器官』:伊藤計劃【感想】|現代における罪と罰

こんにちは。本日は、伊藤計劃氏の「虐殺器官」の感想です。 この小説を読んで、ふたつのことを感じました。まずは、これがデビュー作なのかという驚きです。 設定は、9.11以降。フィクションでありながら、現実感の伴う設定に驚かされます。 テロとの戦いの…

『マルドゥック・スクランブル 排気〔完全版〕』:冲方 丁|結末を迎えた時、バロットとウフコックに何が残るのか

「燃焼」は、カジノでの負けられない闘いの途中で終わっています。「排気」は、その闘いの続きから始まります。「排気」は前半部分が「カジノ」での闘い。後半部分で最終局面を迎えます。「圧縮」「燃焼」「排気」と続いた物語が、どのような結末を迎えるの…

『マルドゥック・スクランブル 燃焼〔完全版〕』:冲方 丁|楽園で、バロットは何を得たのか

「圧縮」では、視覚的に派手な戦闘や銃撃が物語の主軸を占めていました。もちろん、その対照として登場人物の内面の動きを際立たせることも主軸です。その両軸をもって、物語を組み立てていました。「燃焼」においては、大きくふたつの構成で物語が描かれて…

『マルドゥック・スクランブル 圧縮〔完全版〕』:冲方 丁|何故、彼女は死ななければならなかったのか

冲方 丁氏の作品で最初に思い浮かぶのが、この「マルドゥック・スクランブル」です。サイバーパンク系のSF小説として支持を集め、映像化・漫画化など小説以外のメディアでも発表されています。サイバーパンク系と言わせていただいたのは、私がサイバーパン…

『星を継ぐもの』:ジェイムス・P・ホーガン|月面から現れた謎が人類の起源に迫る壮大なミステリー

30年以上前に発表された作品ですが、現在に至っても全く色褪せることのないハードSFの傑作です。謎の解明が物語の主眼なので、ミステリー・ハードSFと言った方が適切かもしれません。その謎が、とてつもなく壮大です。 ほとんど現代人と同じ生物であるに…

『精霊の守り人』:上橋菜穂子|壮大な和製ファンタジーが今ここに始まる

児童文学として執筆されたファンタジー小説。「精霊の守り人」は、綾瀬はるか主演でNHKドラマで放映されていました。小説を読んでいなくてもドラマで知っているという方もいるでしょう。この小説は児童文学というジャンルで収まるものではありません。も…

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』:フィリップ・K・ディック|人間とアンドロイドに違いはあるのか

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の内容 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の感想 近未来SF 人間が人間である意味 終わりに 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の内容 長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残った…

『ブレイブ・ストーリー』:宮部みゆき|ワタルが得た勇気(ブレイブ)が未来を変える

「ブレイブ・ストーリー」の内容 「ブレイブ・ストーリー」の感想 ファンタジー世界 絡まり合うストーリー 終わりに 「ブレイブ・ストーリー」の内容 小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。大きな団地に住み、ともに新設校に通…

『カラフル』:森 絵都|世界は一色ではない、多彩なんだ

「カラフル」の内容 いいかげんな天使が、一度死んだはずのぼくに言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」ありがたくも、他人の体にホームステイすることになるという。前世の記憶もないまま、借りものの体でぼくはさしてめでたくもない下界…