読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

小説(ジャンル)-歴史・時代小説

『天地明察』:生方 丁【感想】|暦は天と地を繋ぐ

第7回本屋大賞受賞作。史実を基にした時代・歴史小説です。主人公の渋川春海は囲碁棋士であり、天文暦学者でもあります。算術にも没頭します。自身の興味のある分野に関しては、とても探求心のある人物です。 渋川春海(安井算哲)の名前を教科書で見た記憶…

『項羽と劉邦』:司馬遼太郎【感想】|武と徳のいずれが勝つのか

舞台となる楚漢戦争は、紀元前206年から紀元前202年です。日本は弥生時代です。始皇帝の死により、再び戦乱の世になった中国の激動振りが伝わります。激動だからこそ魅力的な人物が現れるのでしょう。本作に登場する人物は、誰もが印象に残ります。 前半は始…

『江戸忍法帖』:山田風太郎【感想】|七人の忍者と対峙する一人の侍

以前読んだ「甲賀忍法帖」がかなり面白かったので、本作を読みました。続編ではないのですが、同様に楽しませてくれるだろうと期待は大きかった。細かい設定は抜きにして、本作は忍者対武士と言えます。甲賀七忍と四代将軍家綱の落胤「葵悠太郎」との戦い。…

『村上海賊の娘』:和田 竜【感想】|武士とは違う海賊の生き様

第11回本屋大賞受賞作。和田 竜の小説は「忍びの国」「小太郎の左腕」を読みました。それらに比べ、村上海賊の娘は超長編です。単行本で上下巻、文庫だと4巻に及びます。超長編ながら、気が付けば一気読みでした。 戦国時代の歴史小説だと、主人公は有名な…

『のぼうの城』:和田 竜【感想】|日本三大水攻めに耐えた城

小説より前に映画を観ています。鑑賞したのは数年前ですが、小説を読み進めると映画の記憶も蘇ってきました。映画の記憶と小説が微妙に違うのは原作からアレンジされたのか、私の記憶違いなのか。ただ、小説にかなり忠実に製作されていたのだと感じます。も…

『甲賀忍法帖』:山田風太郎|伊賀と甲賀。闇に蠢く忍術の数々。

以前から読みたい本の一冊でした。初出が1958年と言うのが信じられないほど、面白い。60年近く経っていても、色褪せない。 伊賀と甲賀の忍者の戦い。 10対10の団体戦。 忍者同士の戦いで想像するのは、お互い鍛え上げた忍法を駆使し、その技量を持って勝敗を…

『関ケ原』:司馬遼太郎|天下分け目の合戦はいかにして起きたのか

映画「関ケ原」を観た後に、原作の「関ケ原」も読んでみようと思いました。本格的な歴史物を読むのは久しぶりでしたが、思い切り引き込まれてしまいました。かなりの長編なのですが、息をつく暇がないという言葉がぴったりです。小説は秀吉の死が近づいた頃…

『利休にたずねよ』:山本兼一|茶人「利休」だけでなく、人間としての「利休」が描かれる

第140回直木賞受賞作。戦国時代から豊臣秀吉の天下統一にかけての小説や映画・ドラマでは、必ずと言っていいほど千利休は登場します。利休は、秀吉を描く上で重要な人物です。もちろん、秀吉以外にも当時の武将や商人など多くの人々に対しても影響力を持った…

『小太郎の左腕』:和田 竜|雑賀衆の真髄が戦の趨勢を決する

1556年というと、織田信長が今川義元を桶狭間の合戦で破る4年前です。戦国時代初期の設定です。舞台は戦国時代ですが、物語自体はフィクションなので、歴史上の戦国武将が登場するわけではありません。しかし、まるで史実に基づいているかのような錯覚に陥…

『忍びの国』:和田 竜|伊賀忍者の正体を、ここに見た

映画が先か小説が先か悩んだ末に、小説を先に読みました。史実にある「天正伊賀の乱」を背景に描かれているので、フィクションでありながら物語にリアリティが伴います。最後の最後まで手に汗を握ります。歴史小説というよりは、極上のエンターテイメント作…