読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

小説(作家名)-さ行の作家

よるのばけもの:住野よる【感想】|昼の俺と夜の僕。本当のばけものはどっちなのだろうか。

主人公の安達は、夜になると8つの眼・足が6本・4つの尾がある真っ黒なばけものになる。物語としては完全なフィクションであり、非現実的な設定が前提になっています。夜の学校に忍び込む同級生の矢野さつきについても、どうやって忍び込んでいるのか明確…

一瞬の風になれ:佐藤多佳子【感想】|仲間を信じて、バトンをつなぐ

第4回本屋大賞受賞作。中学校までサッカーをしていた「神谷新二」が主人公。彼の一人称で描かれる春野台高校陸上部が舞台の青春物語です。 序章は、新二と彼の友人「一ノ瀬連」の生い立ちと、彼らの関係性の紹介のための章です。物語は、高校一年生から三年…

深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン:沢木耕太郎【感想】|ワレ到着セズ

旅は、イタリアに入ります。ヨーロッパに入り、いよいよ旅の終わりを実感しつつ先へ進んでいきます。第5巻でアジアの旅に思いを馳せ、二度同じ旅が出来ない喪失感を感じています。旅の目的地ロンドンが近づくにつれ、達成感からは程遠い感情が襲ってくる。…

深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海:沢木耕太郎【感想】|旅の終わり方を考え始めなければならない

第4巻「シルクロード」は、とにかく移動に次ぐ移動ばかりでした。その国々の深層にまで踏み込むほどの熱意や興味をあまり感じていないようでした。著者の比較対象は、香港になってしまっているようです。香港のような興奮を感じさせてくれない場所には惹き…

つばさものがたり:雫井脩介【感想】|レイの翼が小麦に届く

久しぶりに泣きそうになった一冊でした。天使と妖精のハーフの「レイ」。レイの姿が見え会話ができる叶夢。ファンタジー小説かなと思わせます。しかし、主人公の君川小麦に降りかかるのは、乳がんという現実的な苦しみ。夢であったケーキ屋を開店するも客足…

深夜特急4 シルクロード:沢木耕太郎【感想】|シルクロードの長距離バスは凄まじい

第3巻「インド・ネパール」で、ようやく本来の旅の出発地であるデリーに辿り着きます。デリーでの出来事は、第1巻「発端」において既に詳細に描かれています。第4巻は、発端の続きです。デリーを出発するところから始まります。少しだけ、回想としてデリ…

深夜特急3 インド・ネパール:沢木耕太郎【感想】|本来の旅の出発地、インドに入国する

シンガポールから、本来の旅の出発地であるインドへと旅立つところから始まります。と言っても、旅の出発地となる「デリー」に向かわず手前の「カルカッタ」へ降り立つところは、いかにも放浪に近い「旅」の醍醐味なのであろう。カルカッタへ行くと決めれば…

ミュータンス・ミュータント:島谷浩幸【感想】|歯のない死体の謎を解く

本格歯科ミステリー!初めて聞くジャンルです。ジャンルはともかく、帯を見る限りとても斬新な設定のミステリー作品だと思わせます。連続変死体。しかも、死体には歯が全く残っていない。一体、どういうことなのか?何が起こっているのか?期待が膨らみます…

月の満ち欠け:佐藤正午【感想】|月の満ち欠けのように、生と死を繰り返す

第157回直木賞受賞作です。全く内容を知らずに読み始めました。恋愛小説なのか、ミステリーなのか、ファンタジーなのか、コメディなのか。それすらも知らずにです。だから、物語が「愛する人に再会するために、生まれ変わりを繰り返す」という内容だと気付く…

深夜特急2 マレー半島・シンガポール:沢木耕太郎【感想】|香港の影を背負い、旅は続いていく

香港を出発し次の目的地は、タイ・バンコク。バンコクに行く決心をした理由も面白い。香港滞在を延ばすためのビザを書き換える窓口が混んでいて、全てが面倒になりバンコク行きを決意する。いかにも、放浪に近い旅だと思う。思いついた時に、思いついた行動…

深夜特急1 香港・マカオ:沢木耕太郎【感想】|ロンドンに向けて壮大な「旅」が始まる

旅に出たくなる。その一言に尽きます。この小説で描かれているのは「旅行」ではなく、「旅」と言う言葉が相応しい。「旅」でなければ「放浪」と言う言葉でもいいかもしれない。行程表もなく、自分がこうしたいと思った通りに行動していく。ただ、その行動が…

君の膵臓をたべたい:住野よる【感想】|桜良の本心を知った時、彼の心を満たしたものは一体・・・

本屋大賞第2位。2017年8月時点で累計発行部数は200万部。インパクトのあるタイトル「君の膵臓をたべたい」。さらに映画化。気になっていた小説です。あまり詳しい内容は知らなかったのですが、ジャンルとしては恋愛青春小説なのかなと思っていました。 物語…

小説 関ケ原:司馬遼太郎【感想】|天下分け目の合戦はいかにして起きたのか

映画「関ケ原」を観た後に、原作の「関ケ原」も読んでみようと思いました。本格的な歴史物を読むのは久しぶりでしたが、思い切り引き込まれてしまいました。かなりの長編なのですが、息をつく暇がないという言葉がぴったりです。小説は秀吉の死が近づいた頃…

また、同じ夢を見ていた:住野よる【感想】|心が満たされて温かい気持ちが溢れだす

読後に感じるのは、「心が何かに満たされて温かい気持ちになる」ということです。主人公の小学生・小柳奈ノ花が、授業の宿題である「幸せと何か」を考える物語です。 「また、同じ夢を見ていた」の内容 「また、同じ夢を見ていた」の感想 奈ノ花 奈ノ花の口…

星を継ぐもの:ジェイムス・P・ホーガン【感想】|月面から現れた謎が人類の起源に迫る壮大なミステリー

30年以上前に発表された作品ですが、現在に至っても全く色褪せることのないハードSFの傑作です。謎の解明が物語の主眼なので、ミステリー・ハードSFと言った方が適切かもしれません。その謎が、とてつもなく壮大です。 ほとんど現代人と同じ生物であるに…