読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

小説(作家名)-な行の作家

君にさよならを言わない2:七月隆文【感想】|幽霊たちとの出会いが切なさと温かさを溢れさせる

「君にさよならを言わない」の続編。続編なので登場人物や設定は引き継いでいますが、短編集なので前作を読んでいないと理解できないということはありません。ただ、前作を読んでいるのといないのとでは、受け止め方が変わってくるはずです。前作を未読の方…

君にさよならを言わない:七月隆文【感想】|願いを叶えた時、切なさとともに暖かい感情が心を満たす

「ぼくには、幽霊が視える。」 心残りのある幽霊の願いを叶え、成仏させる。物語の設定としては有りがちです。ありふれた設定で、オリジナリティ溢れたストーリーを作り出すのは難しい。本作もストーリーの組み立て自体に、それほど目新しいものはありません…

i:西 加奈子【感想】

読後には、何とも表現し難い感情が心に残りました。 感動と一言で言えるほど、単純な気持ちではない気がします。では、感動でなければ何なのか。 結末に対する喜びでもなく、納得でもなく、考えさせられるということでもない。主人公のアイに対する純粋な共…

ぼくは明日、昨日のきみとデートする:七月隆文【感想】|タイトルの意味が分かる時、物語が違って見える

映画化された恋愛小説という知識だけで、詳しい内容は知らずに読み始めました。 前半部分は、大学生の主人公「南山高寿」と、同い年の「福寿愛美」の甘くてベタベタな恋愛模様が描かれており、いかにも恋愛小説といった趣です。しかし、中盤に彼女の秘密が明…

私の消滅:中村文則【感想】|人間の本質とは記憶の積み重ねなのか

文学的ミステリーと表現すればいいのでしょうか。一度読んだだけでは、よく理解できません。著者の表現したいことが何なのかということだけでなく、ミステリーとしてのストーリーについても同様です。 混乱する要因は、誰の視点で物語が語られているのか分か…

影裏:沼田真佑【感想】|色彩豊かな自然が現実の切なさを際立たせる

第157回芥川賞受賞作です。主人公である今野の日常を、時間の経過とともに淡々と綴っていく。そんな小説です。淡々と語っているに過ぎないような小説であったとしても、著者には明確な意図があって作られた小説であることには間違いありません。ただ、多くの…