読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

小説(作家名)-は行の作家

『本日は、お日柄もよく』:原田マハ【感想】|職業小説でなく、お仕事「サクセス」小説

以前から気になっていた1冊です。タイトルと装丁が印象深く、書店で見かけてから頭の片隅に引っかかっていました。スピーチライターという職業を焦点を当て、そこに関わる様々な人生を描いた作品です。 職業としてスピーチライターがあることは知っています…

『容疑者Xの献身』:東野圭吾【感想】|論理と感情。どちらに従うことが正しいのか。

第134回直木賞受賞作。ガリレオシリーズの第三作目で初の長編です。「探偵ガリレオ」「予知夢」は短編集なので、トリックに様々な仕掛けが施されていますが流れは一直線です。登場人物たちも立ち位置が明確で、あまり予想外の動きをしません。トリックは予想…

『Twelve Y.O.』:福井晴敏【感想】|日本は国家として大人になれないのか

福井晴敏のデビュー作。本作より先に「川の深さは」を執筆しています。ただ発刊されたのは本作が先なので、世間的なデビュー作ということになります。次作「亡国のイージス」も含めたところだと、発刊順は「Twelve Y.O.」「亡国のイージス」「川の深さは」。…

『暗幕のゲルニカ』:原田マハ【感想】|ゲルニカに込めたピカソの思い

原田マハの小説を読むのは、「たゆたえども沈まず」に続いて2作品目です。私は美術史に詳しくありません。アートに対する造詣も深くありません。ピカソの知識も教科書レベルです。それでも「ゲルニカ」は知っていますし、彼が美術界に大きな影響を与えたこ…

『たゆたえども沈まず』:原田マハ【感想】|フィンセントとテオ。離れられない関係だからこそ・・・

画家「フィンセント・ファン・ゴッホ」の物語。2018年本屋大賞の第4位に輝いています。フィンセントの物語ですが、彼の視点で彼の人生が描かれている訳ではありません。フィンセントの弟「テオドルス・ファン・ゴッホ」とパリ在住の美術商「加納重吉」の視…

『謎解きはディナーのあとで』:東川篤哉【感想】|執事が解き明かす事件の謎

2011年の本屋大賞受賞作。1話完結の短篇集で、第6話まであります。殺人事件を捜査するミステリー物ですが、本格的なミステリーを期待して読むと肩透かしを食らいます。 主要登場人物は「宝生麗子」と上司の「風祭警部」、麗子の執事兼運転手「影山」です。…

『マチネの終わりに』:平野啓一郎【感想】|大人の切なく美しい恋物語

主人公の「蒔野聡史」は38歳。「小峰洋子」は40歳。恋愛小説の主人公としては、年齢が高い。恋愛小説の主人公は、10代から20代くらいの若者の物語が多い。30代40代になると、不倫をテーマにした物語が多くなっている気がします。しかし、年齢を重ねたからと…

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』:東野圭吾【感想】|過去と現在が繋がり奇蹟が起こる

ミステリー小説でなく、心温まる人間ドラマです。その言葉に尽きます。もちろん、謎はあります。その謎は解かなければならない謎でなく、謎のままで存在していることが望ましい。それを追及することは意味がない。大事なのは、謎が多くの人々の人生を動かし…

『アルケミスト』:パウロ・コエーリョ【感想】|夢を追い求めた少年が手に入れたものとは・・・

タイトル「アルケミスト」とは、錬金術師のことです。主人公は錬金術師ではなく少年サンチャゴです。錬金術師は、彼を導く役割を担っています。少年サンチャゴが、夢を追い求め旅をする。一言で言えば、それだけの物語です。しかし、それを通して生きること…

『Op.ローズダスト』:福井晴敏【感想】|臨海副都心で交錯する彼らの宿命

福井晴敏は好きな作家ですし、文庫3冊に及ぶ長編なので期待して読み始めました。読み終わった感想は「とにかく長かった」(どちらかと言うとあまりいい意味ではなく)というものでした。超長編を最後まで読み込ませるには、余程の力量が必要だと実感しまし…

『スクラップ・アンド・ビルド』:羽田圭介【感想】|コミカルに描いているが老人介護を真剣に考えざるを得なくなる

第153回芥川賞受賞作です。又吉直樹氏「火花」と同時受賞により、ちょっと影が薄くなってしまった気がします。 「超高齢化社会」と「老人介護」という現代社会の喫緊の課題を扱った小説でありながら、あまり悲壮感漂う作品ではありません。どちらかと言えば…

『流』:東山彰良【感想】|青年の成長と家族のルーツが交錯する

第153回直木賞受賞作です。芥川賞を受賞したピース又吉さんに注目が集まってしまい、羽田圭介さんとともにちょっと印象が薄くなってしまった感じがします。しかし、「流」は重厚で読み応えがあり心に響きます。読後に、表紙カバーの山東省の荒涼とした風景を…

『夢幻花』:東野圭吾【感想】|幻のアサガオが驚愕の事実を告げる

東野圭吾の頭には、どれほどのアイデアが詰まっているのでしょうか。あれだけの量の小説を書き続けながらも、まだこれだけのアイデアを駆使した小説を書くのだから本当に驚きです。著者は「夢幻花」について、「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない 」…

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』:フィリップ・K・ディック【感想】|人間とアンドロイドに違いはあるのか

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の内容 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の感想 近未来SF 人間が人間である意味 終わりに 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の内容 長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残った…

『テロリストのパラソル』:藤原伊織【感想】|ハードボイルドな生き様がここにある

史上初の江戸川乱歩賞と直木賞のW受賞作品です。藤原伊織さんはすでに死去されています。ミステリーなので、ネタバレなしを心掛けます。 「テロリストのパラソル」の内容 「テロリストのパラソル」の感想 ハードボイルド小説 世界が狭い アウトローたち 終わ…

『流星の絆』:東野圭吾【感想】|復讐の絆が揺らぎ、新たな未来の絆へ

「流星の絆」の内容 「流星の絆」の感想 狂わされた人生 復讐計画 終わりに 「流星の絆」の内容 何者かに両親を惨殺された三兄妹は、流れ星に仇討ちを誓う。14年後、互いのことだけを信じ、世間を敵視しながら生きる彼らの前に、犯人を突き止める最初で最後…

『亡国のイージス』:福井晴敏【感想】|陰謀に立ち向かい、信念を貫く

「亡国のイージス」は、福井晴敏の名前を一気に広めた作品です。手に汗を握り、目まぐるしく変化する展開に読み始めたら止まりません。一級のエンターテイメント作品です。しかし、単なるエンターテイメント作品で終わらないのが、著者の力量です。国家の在…

「ガリレオ」シリーズ:東野圭吾【感想】|物理学が謎を解く

ガリレオシリーズの中でも、「探偵ガリレオ」「予知夢」「ガリレオの苦悩」の短編3冊の感想です。長編とこれ以降の短編は、またいずれ。 探偵ガリレオと言えば福山雅治、というくらいイメージが定着しています。私は、ドラマより先に小説を読みました。小説…