読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

小説(作家)-た行の作家-辻村深月

「辻村深月 長編小説」読む順番は出版順がいい?【随時更新】

人気作家の一人である「辻村深月」さん。彼女が新刊を出版すると、それだけで話題に上がります。これまで出版されてきた素晴らしい作品が、現在の地位と人気を築いているのでしょう。 長編だけでもかなりの作品数です。私も全てを読んでいる訳ではありません…

『水底フェスタ』:辻村深月【感想】|偽りの平穏に押し潰される

読後の喪失感が胸を強く圧迫しました。村社会の実態が明らかになるにつれ、息が詰まるような閉塞感が襲います。ムツシロ・ロック・フェスティバル(ムツシロック)という開放的で躍動感溢れるロックフェスを始まりにすることで、その後の睦ッ代村の閉鎖性が…

『名前探しの放課後』:辻村深月【感想】|人は変わることができる

二度読みしました。本作を読む前に、先に読んでおくべき作品がいくつかあります。少なくとも、「ぼくのメジャースプーン」を読んでから読むことをお勧めします。出来れば、「凍りのくじら」も読んでおいた方が面白いかも。あまり書くとネタバレしそうなので…

『ぼくのメジャースプーン』:辻村深月【感想】|復讐は誰のため?

「あることをしなければ、あることが起きる」 物語の鍵となるのが「条件ゲーム提示能力」。この能力が、どれほど恐ろしい能力なのか。一見するとよく分かりません。冷静に考えると、人の心に直接影響を及ぼすのはとても危険です。読み進めていくと、徐々に気…

『凍りのくじら』:辻村深月【感想】|「少し・不思議」が彼女を変えていく

藤子・F・不二雄作品に対する敬愛が伝わります。本作では、「ドラえもん」に対する著者の思い入れが、随所に散らばっています。主人公の芦沢理帆子が抱く藤子・F・不二雄への思いは、著者の思いを代弁しているのかもしれません。 ドラえもんの物語には、人生…

『かがみの孤城』:辻村深月【感想】|居場所はひとつではない。どこにでも・・・

2018年本屋大賞受賞作です。 「かがみの孤城」は本屋大賞を受賞し、様々なメディアで高い評価を受けています。もともと彼女の作品は注目されますし、その分、世間の評価のハードルは高くなります。そのハードルの高さを一気に飛び越えるほどの素晴らしい作品…

『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』:辻村深月|チエミとみずほは救われたのか

主人公は、幼馴染の神宮司みずほと望月チエミ。この二人を軸に、母娘の関係・女友達の関係を生々しく重苦しく描いています。30歳のみずほとチエミが感じる感情に共感できるかどうか。彼女たちが歩んできた今までの人生に共感できるかどうか。また、登場する…

『冷たい校舎の時は止まる』:辻村深月|誰かの意識(頭)の中に閉じ込められる

今、最も注目されている作家の一人である辻村深月のデビュー作。文庫で上下巻、1,000ページ以上の長編です。デビュー作とは思えないくらいの完成度の高いミステリー小説だと思います。 雪が降りしきる学校の中に閉じ込められた8人の生徒。閉じられた世界の…

『スロウハイツの神様』:辻村深月|最終章まで読み終えた時、感動が心に溢れる

最後まで読み終えた時、驚くほどの感動を心に刻まれました。この小説においては、物語が面白いとか上手に組み立てられているとかを論じるのは、全く意味のないことだと感じさせられます。 感動を与える。そのために書かれた小説です。 その感動は、最終章で…