読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

本屋大賞

『蜜蜂と遠雷』:恩田陸【感想】|文字から音楽が溢れ出る

史上初の直木賞・本屋大賞のW受賞作。ピアノコンクールの物語なので、引き込まれるかどうか疑問を感じながら読み始めました。何故なら、私はクラシックが詳しくありません。正直、ほぼ知らないと言っていい。曲のタイトルを聞いてもイメージできない。単行…

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』:リリー・フランキー【感想】|大切な人を失うことは誰もが経験する

第3回本屋大賞。リリー・フランキーが、母親との半生を描いた自伝的小説です。ドラマ・映画・舞台と映像化されています。私は映像化された作品を見ていませんし、小説も初読です。小説の帯には、福山雅治・みうらじゅんなどの著名人が感想を寄せています。…

一瞬の風になれ:佐藤多佳子【感想】|仲間を信じて、バトンをつなぐ

第4回本屋大賞受賞作。中学校までサッカーをしていた「神谷新二」が主人公。彼の一人称で描かれる春野台高校陸上部が舞台の青春物語です。 序章は、新二と彼の友人「一ノ瀬連」の生い立ちと、彼らの関係性の紹介のための章です。物語は、高校一年生から三年…

かがみの孤城:辻村深月【感想】|居場所はひとつではない。どこにでも・・・

2018年本屋大賞受賞作です。 「かがみの孤城」は本屋大賞を受賞し、様々なメディアで高い評価を受けています。もともと彼女の作品は注目されますし、その分、世間の評価のハードルは高くなります。そのハードルの高さを一気に飛び越えるほどの素晴らしい作品…

謎解きはディナーのあとで:東川篤哉【感想】|執事が解き明かす事件の謎

2011年の本屋大賞受賞作。1話完結の短篇集で、第6話まであります。殺人事件を捜査するミステリー物ですが、本格的なミステリーを期待して読むと肩透かしを食らいます。 主要登場人物は「宝生麗子」と上司の「風祭警部」、麗子の執事兼運転手「影山」です。…

舟を編む:三浦しをん【感想】|言葉は海であり、辞書とは海を渡っていく舟である

辞書を作る。小・中・高校と国語辞典を使っておきながら、どうやって作られているのかを考えたことなど一度もありません。辞書は小説などと違い、その目的がはっきりしています。分からない言葉を調べるということです。同じ書物でありながら、異質のもので…

ゴールデンスランバー:伊坂幸太郎【感想】|おまえ、オズワルドにされるぞ

自分の眼で世界を見て判断し、自分の意志で生きていくこと。惰性で流され、何も考えないで生きていることが、どれほど恐ろしいことなのか。伊坂幸太郎が描きます。

羊と鋼の森:宮下奈都【感想】|温かく静謐な筆致で綴られた美しい物語

2016年本屋大賞受賞作。ピアノの調律師の物語という程度しか知りませんでした。私の勝手な思い込みかもしれませんが、調律師をテーマとして扱った小説は少ないのではないでしょうか。同じピアノでも、ピアニストを主人公にした小説は数多くありそうです。 最…

告白:湊かなえ【感想】|一体、誰が救われたのか。そこに救いはあったのだろうか?

ひとつの事件を、5人の視点から描く小説です。この手法は、宮部みゆき氏の「模倣犯」を思い出させます。「模倣犯」と同じく、事件の概要と犯人は最初に語られます。犯人捜しのミステリーではなく、復讐劇とそれに関わった人々の心象の物語です。被害者と加…

『夜のピクニック』:恩田 陸【感想】|歩行祭に懸けた想いが届く

「夜のピクニック」の内容 高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生…