読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、備忘録的に感想を綴るブログ。主に小説。映画もたまに。

私のおすすめ

たゆたえども沈まず:原田マハ【感想】

画家「フィンセント・ファン・ゴッホ」の物語。 2018年本屋大賞の第4位に輝いています。 フィンセントの物語ですが、彼の視点で彼の人生が描かれている訳ではありません。フィンセントの弟「テオドルス・ファン・ゴッホ」とパリ在住の美術商「加納重吉」の…

空飛ぶタイヤ:池井戸 潤【感想】

物語の発端となる事故。事件と言ってもいいかもしれません。 走行中のトラックのタイヤが外れ、そのタイヤの直撃を受け母親が死亡し、子供が軽傷を負う。 この事故を聞き、多くの人がある事故を思い浮かべるはずです。 2002年1月10日に横浜で起きた痛ましい…

ハーモニー:伊藤計劃【感想】

数少ない伊藤計劃の長編のひとつです。 「屍者の帝国」を彼の長編にカウントしなければ、「ハーモニー」が最後の長編作品ということになります。彼独自の世界観により設定された近未来を舞台に、人間が人間として存在する意味や価値にまで踏み込んだ作品です…

冷たい校舎の時は止まる:辻村深月【感想】

今、最も注目されている作家の一人である辻村深月のデビュー作。 文庫で上下巻、1,000ページ以上の長編です。デビュー作とは思えないくらいの完成度の高いミステリー小説だと思います。 雪が降りしきる学校の中に閉じ込められた8人の生徒。閉じられた世界の…

桜風堂ものがたり:村山早紀【感想】

読後は、とても優しく満たされた気分になります。 書店と書店員の物語。 しかし、単なる職業小説ではありません。本に向き合う書店員たちの暖かくひたむきな思いと、彼らの心の交流を描いています。 彼らが本を愛する気持ちが、ひしひしと伝わってきます。本…

甲賀忍法帖:山田風太郎【感想】

以前から読みたい本の一冊でした。 初出が1958年と言うのが信じられないほど、面白い。60年近く経っていても、色褪せない。 伊賀と甲賀の忍者の戦い。10対10の団体戦。 忍者同士の戦いと言えば、お互い鍛え上げた忍法を駆使し、その技量を持って勝敗を決す。…

つばさものがたり:雫井脩介【感想】

久しぶりに泣きそうになった一冊でした。 天使と妖精のハーフの「レイ」。レイの姿が見え、会話ができる叶夢。 ファンタジー小説かな、と思わせます。 しかし、主人公の君川小麦に降りかかるのは、乳がんという現実的な苦しみ。夢であったケーキ屋を開店する…

マチネの終わりに:平野啓一郎【感想】

「大人の切なく美しい恋物語」 主人公の「蒔野聡史」は38歳。「小峰洋子」は40歳。 恋愛小説の主人公としては、年齢が高い。恋愛小説の主人公は、10代から20代くらいの若者の物語が多い。30代40代になると、不倫をテーマにした物語が多くなっている気がしま…

虐殺器官:伊藤計劃【感想】

この小説を読んで、ふたつのことを感じました。 まずは、これがデビュー作なのかという驚きです。 設定は、9.11以降。フィクションでありながら、現実感の伴う設定に驚かされます。 テロとの戦いの果てに辿り着いた管理体制 軍隊 先進国と後進国 今、世界は…

舟を編む:三浦しをん【感想】

辞書を作る。 小・中・高校と、国語辞典を使っておきながら、どうやって作られているのかを考えたことなど一度もありません。 辞書は、小説などと違い、その目的がはっきりしています。分からない言葉を調べるということです。同じ書物でありながら、異質の…

陽気なギャングの日常と襲撃:伊坂幸太郎【感想】

何も考えずに読めて、単純に笑えて楽しめる極上のエンターテイメント作品です。特に、深いメッセージ性は感じません。だからこそ、気楽に読めます。 「魔王」のメッセージ性の強さとは、全く違います。同じ作家でありながら、バリエーション豊かだなと感じま…

砂漠:伊坂幸太郎【感想】

面白かった。しかも、感動もする。あっという間に読み終わってしまいました。 自分が大学生だった頃を思い出し、登場する人物たちに共感しながら読んだからこそ面白かった。 もちろん、自分が大学生の時に、小説の中のような劇的な出来事や個性溢れる人物が…

羊と鋼の森:宮下奈都【感想】

2016年本屋大賞受賞作です。 ピアノの調律師の話という程度しか知りませんでした。私の勝手な思い込みかもしれませんが、調律師をテーマとして扱った小説は少ないのではないでしょうか。同じピアノでも、ピアニストを主人公にした小説は数多くありそうです。…

月の満ち欠け:佐藤正午【感想】

第157回直木賞受賞作です。 全く内容を知らずに読み始めました。恋愛小説なのか、ミステリーなのか、ファンタジーなのか、コメディなのか。それすらも知らずにです。 だから、物語が「愛する人に再会するために、生まれ変わりを繰り返す」という内容だと気付…

ナミヤ雑貨店の奇蹟:東野圭吾【感想】

ミステリー小説でなく、心温まる人間ドラマです。その言葉に尽きます。 もちろん、謎はあります。ただ、その謎は解かなければならない謎でなく、謎のままで存在していることが望ましい。それを追及することは、物語上、意味がない。 大事なのは、謎が、多く…

君の膵臓をたべたい:住野よる【感想】

本屋大賞第2位。2017年8月時点で累計発行部数は200万部。そして、インパクトのあるタイトル「君の膵臓をたべたい」。さらに映画化。 気になっていた小説です。あまり詳しい内容は知らなかったのですが、ジャンルとしては恋愛青春小説なのかな、と思っていま…

アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎【感想】

「アヒルと鴨のコインロッカー」の内容 「アヒルと鴨のコインロッカー」の感想 椎名の視点から見る現在の物語 琴美の視点から見る過去の物語 過去と現在の織りなす世界 最後に 「アヒルと鴨のコインロッカー」の内容 引っ越してきたアパートで出会ったのは、…