読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』:堀江貴文【感想】

 堀江貴文さんの本を読むのは初めてです。私は、堀江さんと同い年です。彼が球団買収やニッポン放送買収、衆議院総選挙など世間を騒がせていた当時、とても同い年だとは思えませんでした。賛否ありますが、バイタリティ溢れる人で時代の寵児としてマスコミを騒がせていた記憶が残っています。当時は、共感も反感もありませんでした。不遜な態度で相手が誰であっても言いたいことを言い、金を稼ぐためなら何でもしそうだなという印象でした。

 共感も反感もない私でもそんな風に感じていたのだから、反感を持っている人たちにしてみれば、本当に嫌な存在だったのでしょう。証券取引法違反容疑による逮捕が報じられた時、堀江さんなら有り得るかもと根拠もなく思っていました。いま考えると、多分にマスコミ報道に誘導された面もあったのでしょう。マスコミも持ち上げるだけ持ち上げて一気に落としていましたので。堀江さんは、いい意味でも悪い意味でも(有罪が確定してからは、悪い印象の方が勝っていますが)普通の人とは違う特別な存在だと勝手に思っていました。

「ゼロ」の内容  

堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか?ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。 【引用:「BOOK」データベース】  

「ゼロ」の感想  

チを足す

 この本は、刑期が終了する直前に刊行されています。懲役を経て、堀江さんが感じていることを自伝的に書いています。自伝的というより、まさしく自伝です。小説と言ってもおかしくない内容です。この本を読んで、堀江さんに対する印象が今までと全く変わってしまいました。もちろん、いい意味でです。堀江さんは特別な人ではなく、ただ真剣に生きてきただけです。 

ただ、やり方が従来の勢力にとっては不快であったのでしょう。 

 本書で堀江さんが言いたいことは、まさしくタイトルにすべて凝縮されています。誰でもスタートは「ゼロ」であり、そこにイチを足していく。失敗しても「ゼロ」に戻るだけ。そして掛け算で楽をして結果を出そうとしても「ゼロ」に何を掛けても答えは「ゼロ」。まずは、小さなイチを地道に足していかなくてはいけないということです。 

ちこぼれだった?! 

 堀江さんの幼少期の生活は、決して満たされたものではなかったようです。裕福な家庭で適切な教育を与えてくれるような家庭ではなかったということです。どちらかと言えばかなり個性的というか、子供にとって環境は良くなかったように感じます。そんな中で、堀江さんは大きなふたつの出会いを果たしました。

 まずは、小学校3年生の担任だった星野先生。出口のない今の生活に苛立っていた堀江さんに、新たな道を開きました。堀江さんも、今の自分があるのは星野先生のおかげだと書いています。

 そして、コンピューターとの出会いです。コンピューターとの出会いが何かに没頭することと、働くことの喜びを教えたのです。また、必ずしも勉強のできる優等生ではなかったということです。ただ、現状脱出のためだけに東大に行く決意をし、そのためだけの勉強だったということに驚きを覚えました。 

が大学時代に気づいたこと 

 彼は、大学生活で「経験」を積むことが大事だと気づきます。経験が「自信」の源であるということにも気付きます。経験は何かに対して足を踏み出した回数です。その中で小さな成功経験を積んでいくことが重要だと。チャンスは見極めるものではなく、躊躇せず飛び込んいくということです。堀江氏の、バイタリティ溢れる行動力は、ここから始まったのかもしれません。 

くことに対する考え方 

 大学時代に起業してからの話は、堀江さんの「働く事」への価値観が書かれています。ここからが、堀江さんが本当に言いたいことです。その考え方に至る背景として、彼の生い立ちを書く必要があったのでしょう。

 例えば、やりがいについて。彼はやりがいについて、見つけるものではなく作るものだと考えています。作るものだとしたら、どんな仕事に就いていてもやりがいはあるということです。他にも、彼の仕事に対する考え方は多く語られています。それらを読んでいくと、決して彼は拝金主義ではなく仕事に対してとても真摯であるということです。

仕事に対し真摯であるとともに、人生に対しても真摯であるということも感じます。 

 ただ、あまりに自分の仕事に対する考え方に拘るあまり、周りの彼に対する評価を軽んじていたようです。それが敵を作ったと反省している部分もあります。彼が仕事に対して真摯であるからこそ、曲げれない部分もあるのでしょう。それを相手にも求めるから衝突したり反感を買ったりします。そのことが、古い慣習や既得権益に囚われた人々からは脅威に映ったはずです。彼の証券取引法違反が仕組まれたものだというつもりはありません。ただ、彼がお金のためだけに犯罪を犯すような人間ではないということが分かります。 

まとめ として

 この本を読んで、堀江貴文と言う人物に対する私の評価は全く変わってしまいました。以前は共感も反感もなかったのですが、今はとても共感しています。彼の言葉にも、とても説得力を感じます。彼は決して独りよがりの独裁者ではないのだということ。彼の言葉を実践することが出来れば、人生は充実したものになるということ。決して難しいことではありません。意識の改革が重要です。

 この本には、堀江さんの考え方が名言となって多く出てきます。その言葉に共感することが出来る人は、今までとは違った世界が見えるはずです。それは年齢に関係なく、若い世代から40代や50代、場合によっては60代以上の方々にも影響を与えることになります。

 堀江貴文という人物を知りたい方は、是非読んでいただきたい。私は、逮捕される前に出版した本や逮捕後の本など、これから堀江さんの本を読み漁ろうと考えています。 

  最後に単行本の表紙裏に書かれていた文章を引用します。  

誰もが最初は「ゼロ」からスタートする。
失敗しても、またゼロに戻るだけだ。
決してマイナスにはならない。
だから、一歩を踏み出すことを恐れず、前へ進もう。     

 心に残る言葉です。

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく