読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、備忘録的に感想を綴るブログ。主に小説。映画もたまに。

植物図鑑:有川 浩【感想】

「植物図鑑」の内容 

お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です――。思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。樹(イツキ)という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所で「狩り」する風変わりな同居生活が始まった。とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)“道草”恋愛小説。レシピ付き。  

 

 「植物図鑑」の感想

  強烈に甘い恋愛小説です。コメディ的な要素もちらほらと見受けられます。

 とにかく甘く、また甘いだけでなく切なくなる部分もあり、読んでいて癒されていきます。出来過ぎな話なのですが、その出来過ぎを差し引いても、十分に感情移入して読めます。

 

  この小説の逆の設定なら、よくありそうな話です。可愛い子をイケメンが拾って、恋に展開するなんてありそうです。

 でも、この小説は、全くの逆です。女性がイケメンを拾うというのは今まであまりなかったのではないかと思います。でも、あってもいい設定です。

 男性が、上述のように可愛い子と恋愛に落ちる願望があるように、女性もイケメンと恋に落ちる願望があっても当然です。これが形となったのが、この甘い小説なのでしょう。

 

 出会いの場面はかなり無理がありますが、それもありと思ってしまうから不思議です。女性が思い描く理想の物語を、小説という形にしたのでしょう。理想だから、出会いに無理があっても構わない。

 「植物図鑑」というタイトルだけあって、植物が物語の重要な構成要素です。それも山菜などの野草です。あまりなじみのないものばかりですが、文庫の最初に写真で掲載されているので、それを見返しながら読めば、イメージを十分持てます。

 また、主人公の「さやか」と「イツキ」以外は、ほとんど登場しません。会社の同僚がたまに出ますが、それだけです。なので、余計に二人の世界が強調されているのでしょう。

 

 これを10代や20代の頃に読めば、こういう恋がしてみたいと思うでしょうし、30代以降の人が読めば、こういう恋をしてみたかったなと思うでしょう。

 読後は、幸せな気分になることは間違いありません。読みやすい文章も、この小説を引き立てているのでしょう。何もかもが心にすっと入ってきます。

 是非、一度読んでみてください。心に響くと思います。