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『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』【感想】

 本格ミステリ。この言葉の定義は、一言で言い表すには難しい。物語中に提示された謎を解くことに重きが置かれた小説のことだろうか。その謎の難解さと、それが明かされた時の納得感が見事な作品が本格ミステリーなのかな。

 この本に掲載されている7人の作家は、間違いなく本格ミステリー作家です。綾辻行人が「十角館の殺人」でデビューしたのが1987年。ここから、新本格ミステリ・ムーブメント」が起こります。綾辻行人以降、同時期にデビューした7人が、このムーブメントを牽引してきたのは間違いないことかもしれません。 

「7人の名探偵」の感想

 現在、私が読んだことがあるのは、綾辻行人の「十角館の殺人」のみです。特に、敬遠している訳ではないのですが。なので、今回、綾辻行人以外の作家の作品は、とても興味を引いていました。短篇と言えども、作家の個性が充分に感じ取れるミステリを期待していたからです。読後の感想としては、

  • 同じ本格ミステリ作家でも、これほど違うものなのか。
  • 短篇を書く時に、向き合い方が全く違ってくるものなんだな。

 ということです。限られた文字数・ページ数なので、本格的な謎解きミステリは難しいのかもしれません。それでもストーリーを構成しようとする作家がいる反面、ミステリを諦めているのではないかと思ってしまう作品もあります。好みの問題だと思いますが、7人のミステリを楽しめると思っていただけに拍子抜けさせられた印象です。 

 麻耶 雄嵩・有栖川 有栖・法月 綸太郎の作品は「7人の名探偵」のタイトルに相応しい内容です。短編なので、物足りなさはありますが。

 我孫子 武丸・歌野 晶午は変化球気味のミステリかな。

 山口 雅也と綾辻 行人はミステリと言えるのだろうか。綾辻行人は、回想録に近いかな。彼らのルーツを知ることが出来る気もしますが。一応、ミステリなので、内容については書きません。彼らの作品の次の通りです。 

  • 麻耶 雄嵩・・・「水曜日と金曜日が嫌いー大鏡家殺人事件ー」
  • 山口 雅也・・・「毒饅頭怖い」
  • 我孫子 武丸・・・「プロジェクト:シャーロック」
  • 有栖川 有栖・・・「船長が死んだ夜」
  • 法月 綸太郎・・・「あべこべの遺書」
  • 歌野 晶午・・・「天才少年の見た夢は」
  • 綾辻 行人・・・「仮題・ぬえの密室」 

 正直言って、読み応えのある作品とは言い難い。短編なので仕方ないのかもしれません。やはり彼らの真の実力を知るためには、彼らの長編を読むべきだと感じました。 

 ちなみに本格ミステリに属する作品を執筆している作家は、「本格ミステリ作家クラブ」のホームページを参照してみてください。リンクを張ろうと思いましたが、https化していないホームページなので、検索してみてください。

7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー (講談社ノベルス)

7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー (講談社ノベルス)

  • 作者: 綾辻行人,歌野晶午,法月綸太郎,有栖川有栖,我孫子武丸,山口雅也,麻耶雄嵩,文芸第三出版部
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/07
  • メディア: 新書
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