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『バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる』:成毛 眞【感想】|文章力はいらない!

ご覧いただきありがとうございます。今回は、成毛 眞さんの「バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる」の読書感想です。

副題は「書く力が、人もお金も引き寄せる」です。書く力にはそれだけ大きな力があるということです。

「バズる」という言葉は、ネットでよく見たり聞いたりします。意味は、「短期間に爆発的に話題になる」と言ったところでしょう。拡散されることで引き起こされるので、SNSで顕著に起こる現象です。

「バズる」はどちらかと言えばいい意味での拡散のことで、悪い拡がり方は「炎上」で表現されることが多い。微妙なニュアンスの違いがあります。本書のタイトルが「バズる」を使っていることからも、自身の発信する内容がいい意味で世間の注目を浴びることを目的としています。

注目を浴びるだけでなく、多くの人に拡散してもらわないとバズらない。多くの人を巻き込まないと引き起こせません。「バズる」ために必要なのは、当然、内容です。見向きもされない記事では拡がることはありません。しかし、文章の「書き方」も重要な要素です。

著者の経歴を見ると、様々な職種や立場を経験しています。一文では書き表せないほどです。だからこそ、書くことに対し多くの視点から考察できるのでしょう。具体的かつ実践的で分かりやすいのは、当然かもしれません。

「バズる書き方」の内容

「1億総書き手時代」の新しい文章の書き方入門!SNSがこれまでになく普及し、「1億総中流時代」に代わって、「1億総書き手時代」が到来した。書いて発信することのハードルがこれまでになく下がった中で、いったいどのようにすれば多くの人に読まれ、心を動かす文章を書くことができるのか?書評サイト「HONZ」代表・成毛眞が教える、文章力に頼らない新時代の文章の書き方!【引用:「BOOK」データベース】

 

「バズる書き方」の感想

「書く力」の重要性

youtubeなど映像での表現が主流になっていますが、それでも文章の記事もニーズがあります。Twitterが未だに多くのユーザーを抱えていることからも分かります。文章は伝達手段として、まだまだ有効なのです。

文章は誰でも読むことができます。しかし、書くとなると話は全く違ってきます。他人に読んでもらえる文章となるともっとハードルは高くなります。だからと言って、素人が他人を引きつける文章を書くことができないということはありません。実際に、SNSでは、一般人が書いた文章がバズることも多々あります。必要なのは記事の素材と書く技術なのでしょう。

「書き方」という技術は練習次第で身に付けることができます。書き方を習得しただけでバズる記事を量産できるとは思えませんが、技術が必須条件なのは間違いないでしょう。だからこそ、「書き方」を極めることは大きな武器になります。それもSNSに特化した技術です。

文章には媒体に応じた書き方があります。Twitterでは一度に書くことのできる文字数には制限があります。その中で伝えたいことを書き切る必要があります。また、ブログは文字数に制限はありませんが、あまりに長い文章だと最後まで読んでくれません。SNSを見ている人たちは、それほど気が長くない。読む価値があるかどうかを一瞬で判断してしまいます。だからこそ、SNSを意識した書き方をしなければなりません。

SNSを見る時に使われるのはスマホが大半です。パソコンやタブレットを使う人もいますが、基本的にスマホで読まれることをベースに考える必要があるでしょう。当たり前ですが、スマホは画面が小さい。一度に画面に表示できる文字数も限られています。限られた画面の中で読者の気持ちを捉え、最後まで読み切らせなければなりません。

著者が言う「書く力」には、読ませるための力も含んでいます。どれだけ素晴らしい文章を書いたとしても、スマホの特性を理解していなければ読み始めてくれません。

第一章のタイトルが「バズる文章は内容ではなく見た目が9割」です。すなわち、見た目で興味を引かれなければ、読者は読んでもくれないということです。9割なので見た目が全てと言っている訳ではありませんが。

どのようにして見た目を良くしていくか。その手法が具体的に書かれています。本書を読めば分かりますが、それほど難しいことではありません。その視点に気付くかどうかと実践できるかどうかでしょう。

 

み手と共感

文章を書く時は、読み手を意識する必要があります。そうでなければただの独りよがりだし、日記に過ぎません。他人の日記を読んでも、それほど面白くない。友人の日記なら多少は違うかもしれません。何故なら、共感できるものがある可能性が高いからです。友人同士なら、日常を共に過ごすことも多い。共有する内容も多いでしょう。人は誰かと共感することを望みます。

他人の文章に興味を抱くかどうかは共感を生むかどうかです。会ったこともない人と共感するためにはどうすればよいのか。書いている内容を共有するためにはどうすればいいのか。それは具体的に書くことです。

文章を書く時に気を付けなければいけないのは、これぐらいなら書かなくても分かるだろうという思い込みです。文章を書いている本人は書いていることが分かっています。状況や情景を思い浮かべながら書いています。読者も同じ情景を思い浮かべているだろうと勘違いします。

読者は何も予備知識はありません。書かれていること以上の情景を思い浮かべない。行間も読み取らない。SNSに書かれる文章は文学作品ではないし、読者も文学作品を読んでいるつもりはありません。書いてあることをそのまま読み取るだけです。だから、状況説明は詳細に行う必要があります。具体的かつ分かりやすい表現で書かなければなりません。そうすることで情景を共有できるのです。

 

を動かす

バズる文章を書くための手法が書かれた本ですが、最終的には人を動かすことが目的です。人を動かすことができれば、お金を引き寄せることもできます。必要なのは、人に行動を起こさせることができる文章を書くことです。

読み始めてもらわなければ、内容も何もあったものではありません。なので、まずは読み始めてもらうための技術を身に付けます。読み始めてもらえれば、今度は最後まで読み切ってもらう内容を書きます。共感や興味を抱くことができる内容です。

お金を得ようとするのならば、行動を起こしてもらわなければなりません。商品の紹介や宣伝であれば、購入してもらわなければ報酬を得ることができません。「いいね」や「コメント」よりもずっとハードルが高い。

しかし、現実にそれで収入を得ている人はいます。それで生計を立てている人がどれほどいるか分かりませんが可能なことです。自分にできないと諦める必要もありません。問題はどうやって購入までの動機付けをするかです。そこに必要になってくるのが技術なのでしょう。商品の紹介だけなら誰でもできます。実際に購入に至るかどいうかは、文章の作り方次第ということです。

人を動かすのは簡単ではありません。しかし、不可能でないことは明確です。そのための手法の一部が本書に書かれています。

 

終わりに

本書の全てを実践したからと言って、すぐに結果が出るとは限らないでしょう。それに続けなければ結果は出ません。続けることが何より重要です。

本書はそれほど難しいことが書かれている訳ではありません。すぐに実践できることもあるし、少し経験を積めば身に付く技術もあります。書かれていることが、バズる文章を作るための唯一の正解という訳でもないでしょう。

本書の冒頭でも書かれていますが、現在は「1億総書き手時代」です。誰でも文章を書き、SNSで世界に向けて発信することができます。しかし、注目を浴びる文章はほんの少しです。ほとんどの文章は誰にも読まれることなく埋もれていくのでしょう。少しでも誰かの目に留まってほしいと願うのならば、必須の技術が要るということです。本書は、その助けになるかもしれません。

最後までご覧いただきありがとうございました。