年末のバタバタとした時間をやり過ごしながら、時間を作って本を読んでいました。2018年に読んだ本は100冊程度でしょうか。12月の読書本は7作品です。12月のおすすめ度合いです。
おすすめ度★★★★★
村上海賊の娘 和田 竜
天王寺合戦も第一次木津川口の戦いも結果は分かっています。しかし、景の行く末は分かりません。結果が分かっている戦でありながらも、そこに身を投じる景がどうなるのか分からないからこそ、本作はページを捲る手が止まらない。
おすすめ度★★★★
フーガはユーガ 伊坂幸太郎
結末で全ての謎が解決する作品ではないように感じます。優我と弟の風我の人生は、一体何のために語られているのか。彼らの人生自体に引き込まれながらも、物語の結末がどこに向かうのか。一気に読み切ってしまうほど、先が気になってしまいます。
ぼくのメジャースプーン 辻村深月
SFともファンタジーとも受け止めることが出来る非現実的な能力を描きながら、現実世界の恐ろしい出来事を描いていきます。物語の結末は、少なくとも救いのあるものです。物語自体が闇の部分が多いので爽快感は感じません。ただ、未来を見ることの出来る終わり方です。
のぼうの城 和田 竜
小説自体はそれほどボリュームはないので一気に読み終えることが出来ます。登場する武将たちは、彼らの矜持に従い命を懸けて戦う。生き生きとした彼らの戦いぶりに目が離せない。
おすすめ度★★★
凍りのくじら 辻村深月
物語は「少し・不思議」な結末です。現実的でないにしろ、爽やかで不満を感じることはありません。前半は少しだれるところもありますが、若尾が変貌していくあたりから一気に引き込まれていきます。
おすすめ度★★
夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦
好みは分かれると思います。はっきりとしたストーリー展開と読後の爽快感を求めるなら、あまり引き込まれないかもしれません。しかし、こういう小説も楽しめるものだと感じることができました。
おすすめ度★
きみにしか聞こえない 乙一
乙一作品は初読でしたが、あまり引き込まれなかったというのが率直な感想です。短篇なのも理由のひとつかもしれません。主人公は、高校生と小学生と成人女性です。その年代に当たる人たちには、共感できるものがあるのかもしれません。