読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

消滅:恩田 陸【感想】|閉じ込められた空港。果たしてテロリストは?

単行本500ページ超に及ぶ長編です。入国を拒否された11人が、閉じ込められた日本の国際空港の別室で繰り広げるテロリスト探し。クローズド・サークルを舞台にしたミステリーです。11人の中に高度なヒューマノイドロボットのキャスリンが登場し、SF的要素も加…

一瞬の風になれ:佐藤多佳子【感想】|仲間を信じて、バトンをつなぐ

第4回本屋大賞受賞作。中学校までサッカーをしていた「神谷新二」が主人公。彼の一人称で描かれる春野台高校陸上部が舞台の青春物語です。 序章は、新二と彼の友人「一ノ瀬連」の生い立ちと、彼らの関係性の紹介のための章です。物語は、高校一年生から三年…

ソードアート・オンライン7 マザーズ・ロザリオ:川原 礫【感想】|ユウキとの邂逅がアスナの現実を変える

前作「ファントム・バレット」の数週間後。アスナを主人公にしたスピンオフ作品です。前作はキリトとシノンの物語であったことから、アスナを始め旧アインクラッドの面々の影は薄かった。全く出番がなかった訳ではないですが。そもそも物語の視点がキリト以…

定期「2018年9月(長月)」の読書本

9月に入り、日が短くなってきた実感があります。台風が猛威を振るい多くの被害が出ました。 9月に読んだ本は7冊でした。それでは9月の読書本のおすすめ評価を。 おすすめ度★★★★★ かがみの孤城 辻村深月 横道世之介 吉田修一 おすすめ度★★★★ 氷菓 米澤穂…

容疑者Xの献身:東野圭吾【感想】|論理と感情。どちらに従うことが正しいのか。

第134回直木賞受賞作。ガリレオシリーズの第三作目で初の長編です。「探偵ガリレオ」「予知夢」は短編集なので、トリックに様々な仕掛けが施されていますが流れは一直線です。登場人物たちも立ち位置が明確で、あまり予想外の動きをしません。トリックは予想…

マリアビートル:伊坂幸太郎【感想】|東北新幹線に集結した殺し屋たちの運命は・・・

位置付けとしては「グラスホッパー」の続編です。続編と言っても、直接的なストーリーの繋がりはあまりありません。グラスホッパーで登場した人物が数人登場していますが、前作を読んでいなくてもストーリーを理解する上で支障はないでしょう。「マリアビー…

Twelve Y.O.:福井晴敏【感想】|日本は国家として大人になれないのか

福井晴敏のデビュー作。本作より先に「川の深さは」を執筆しています。ただ発刊されたのは本作が先なので、世間的なデビュー作ということになります。次作「亡国のイージス」も含めたところだと、発刊順は「Twelve Y.O.」「亡国のイージス」「川の深さは」。…

コンビニ人間:村田沙耶香【感想】|自分と社会にとって「普通」とは何か?

第155回芥川賞受賞作。日常生活のどの場面でも「普通」は存在します。「普通」の圏内にいる人々にとっては意識しないことでも、そこからはみ出した人にとっては意識せざるを得ません。無言の圧力に止まらず、面と向かって「普通」を強制する。本作を読めば、…

君にさよならを言わない2:七月隆文【感想】|幽霊たちとの出会いが切なさと温かさを溢れさせる

「君にさよならを言わない」の続編。続編なので登場人物や設定は引き継いでいますが、短編集なので前作を読んでいないと理解できないということはありません。ただ、前作を読んでいるのといないのとでは、受け止め方が変わってくるはずです。前作を未読の方…

愚者のエンドロール:米澤穂信【感想】|「古典部」がビデオ映画の謎に迫る

「古典部」シリーズの第二弾。前作「氷菓」は高校1年の入学から夏休みくらい(最終章は夏休み後、文化祭直前になってますが)までです。本作は、夏休みの終盤を舞台に描かれています。「古典部」シリーズは、高校生の学内ミステリー小説です。「愚者のエンド…