読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

『水底フェスタ』:辻村深月【感想】|偽りの平穏に押し潰される

読後の喪失感が胸を強く圧迫しました。村社会の実態が明らかになるにつれ、息が詰まるような閉塞感が襲います。ムツシロ・ロック・フェスティバル(ムツシロック)という開放的で躍動感溢れるロックフェスを始まりにすることで、その後の睦ッ代村の閉鎖性が…

2018年本屋大賞の受賞作

2017年11月〜2018年4月にかけて実施された第15回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『かがみの孤城』辻村深月 【得点:651.0点】 2位 『盤上の向日葵』柚月裕子 【得点:283.5点】 3位 『屍人荘の殺人』今村昌弘 【得点:255.0点】 4位 『たゆたえども沈ま…

『誰か』:宮部みゆき【感想】|家族だからこそ逃れられない

杉村三郎シリーズの第一弾。読者は杉村三郎の視点を通じて、事件の真相に迫っていきます。杉村三郎は普通のサラリーマンです。特別な能力を有していないので、彼の視点で描かれる世界は馴染みやすい。彼が考えていることも共感しやすい。謎が輻輳していても…

定期「2019年1月(睦月)」の読書本

2019年最初の月の読書本です。1月の読書本は6冊でした。最近は月10冊に届かないペースです。読みたい本はたくさんあるのですが、読書ペースが追い付いていかない。1月は「図書館の魔女」を読むのに時間を費やしました。それではおすすめ度を紹介します。「お…

『図書館の魔女 烏の伝言』:高田大介【感想】|裏切り者の街を駆け巡る

「図書館の魔女」の続編。前作は、ニザマ・アルデシュ・一の谷の三国和睦により戦役が回避され、ニザマの宦官宰相ミツクビを失脚させたところで終わりました。三国和睦の実現で、物語を一区切りさせた印象です。宦官中常侍の失脚で、ニザマに政情不安による…

『江戸忍法帖』:山田風太郎【感想】|七人の忍者と対峙する一人の侍

以前読んだ「甲賀忍法帖」がかなり面白かったので、本作を読みました。続編ではないのですが、同様に楽しませてくれるだろうと期待は大きかった。細かい設定は抜きにして、本作は忍者対武士と言えます。甲賀七忍と四代将軍家綱の落胤「葵悠太郎」との戦い。…

『七つの会議』:池井戸 潤【感想】|積み上げられた不正に立ち向かう

2019年2月1日に劇場公開されます。映画化される小説が未読の場合、いつも頭を悩ませるのがどちらを先に読むか(観るか)という問題です。「空飛ぶタイヤ」の時も同じ悩みを抱えた気がします。結局は小説を先に読むことにしましたが、どちらが正解だったのかは…

『ファーストラヴ』:島本理生【感想】|彼女たちは救われたのだろうか

第159回直木賞受賞作。恋愛小説をイメージさせるタイトルながら、帯には「なぜ娘は父親を殺さなければならなかったのか?」と書かれています。一体、どのような内容の小説なのか気になっていました。直木賞を受賞した話題性もあり、期待感が高まります。 読…

定期「2018年12月(師走)」の読書本

年末のバタバタとした時間をやり過ごしながら、時間を作って本を読んでいました。2018年に読んだ本は100冊程度でしょうか。12月の読書本は7作品です。12月のおすすめ度合いです。 おすすめ度★★★★★ 村上海賊の娘 和田 竜 おすすめ度★★★★ フーガはユーガ 伊坂…

『残り全部バケーション』:伊坂幸太郎【感想】|結末は読者に委ねられた?

五章から成る連作短編集。各短編ごとで完結してますが、それぞれが関係し合っています。第五章を読むと、今までの物語が最終章のための伏線であったようにも感じます。全てが最終章のためだけに存在していた訳ではないですが。 裏稼業に生きる「溝口」と「岡…