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「村上春樹」長編小説:出版順一覧

ご覧いただきありがとうございます。今回は、村上春樹氏の「長編小説 作品一覧」です。

村上春樹氏は、日本のみならず海外でも高い評価を受けています。ハルキストと呼ばれる熱狂的なファンも多い。ノーベル文学賞も期待されているほどです。なかなか受賞には至りませんが。

村上氏の小説は読み解くのが難しい。物語の中には多くの暗喩が含まれています。何を表現しているのか。何を言いたいのか。それらを理解するには何度も読み返す必要が出てくるでしょう。

今回は、出版順にご紹介します。村上作品を読んだことのない人は、是非、読んでいただきたい。

出版順 一覧

1.風の歌を聴け(1979年7月)

一九七〇年の夏、海辺の街に帰省した“僕”は、友人の“鼠”とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。二人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、“僕”の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。

 

2.1973年のピンボール(1980年6月)

さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との“僕”の日々。女の温もりに沈む“鼠”の渇き。やがて来る一つの季節の終りー

 

3.羊をめぐる冒険(1982年10月)

 

あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている二十一歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい“鼠”の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。

 

4.世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(1985年6月)

 

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、“世界の終り”。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する“ハードボイルド・ワンダーランド”。

 

5.ノルウェイの森(1987年9月)

 

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。

 

6.ダンス・ダンス・ダンス(1988年10月)

 

『羊をめぐる冒険』から四年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。

 

7.国境の南、太陽の西(1992年10月)

今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう―たぶん。「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった女性が現われて―。

 

8.ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編(1994年4月)

僕とクミコの家から猫が消え、世界は闇にのみ込まれてゆく。―長い年代記の始まり。

 

9.ねじまき鳥クロニクル 第2部 予言する鳥編(1994年4月)

致命的な記憶の死角とは?失踪したクミコの真の声を聴くため、僕は井戸を降りていく。

 

10.ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編(1995年8月)

猫は戻り、涸れた井戸に水が溢れ、綿谷昇との対決が迫る。

 

11.スプートニクの恋人(1999年4月)

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。

 

12.海辺のカフカ(2002年9月)

 

「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」―15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真…。

 

13.アフターダーク(2004年9月)

時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。そして、同じ時刻、ある視線が、もう一人の若い女性をとらえる―。

 

14.1Q84(2009年5月、2010年4月)

 

 

 

 

 

1Q84年・・・私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。……ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれ、主人公青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。

 

15.色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(2013年4月)

多崎つくるは鉄道の駅をつくっている。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。理由も告げられずに。死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時何が起きたのか探り始めるのだった。

 

16.騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編(2017年2月)

 

その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降っていたが、谷の外側はだいたい晴れていた…。それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕れるまでは。

 

17.騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編(2017年2月)

 

雑木林の小径を抜けて、肖像画のモデルとなった少女が山荘を訪れる。屋根裏に隠された絵と「私」の描いた絵…パズルのピースのように、四枚の絵が一つの物語を浮かび上がらせる。谷の向かい側から銀色のジャガーで現れる白髪の紳士、奇妙な喋り方で主人公に謎をかける「騎士団長」。やがて、山荘の持ち主の老画家をめぐる歴史の闇も明らかになるが、真夜中の鈴は、まだ鳴り止まないー。

 

長編小説を出版日順に紹介しました。村上氏は短編小説も数多く執筆しているので、そちらの方も、是非、読んでください。

最後までご覧いただきありがとうございました。