晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『逆ソクラテス』:伊坂幸太郎【感想】|敵は、先入観。世界をひっくり返せ!

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「逆ソクラテス」の感想です。 伊坂幸太郎の作家デビュー20周年に発刊された5編の短編集です。各短編に直接的な関係性は薄い。共通する登場人物もいますが、連作短編集とは言えないだろう。それぞれの短編はそれぞれで完…

『楽園のカンヴァス』:原田マハ【感想】|カンヴァスに篭めた想いとは

こんにちは。本日は、原田マハさんの「楽園のカンヴァス」の感想です。 普段、美術館や展覧会を訪れることはあまりありません。モダンアートの良さを理解する審美眼も乏しいと感じています。そんな私でも、本作には引き込まれていきます。 主人公は「ティム…

『四畳半神話大系』:森見登美彦【感想】|不毛と愚行の青春奇譚

こんにちは。本日は、森見登美彦氏の「四畳半神話大系」の感想です。 森見登美彦氏らしい独特の世界観です。京都を舞台に、くされ大学生の一人称で物語は進みます。 彼は大学3回生でありながら、何も成し遂げていません。どうにもならない救いがたい状況で…

『十字架のカルテ』:知念実希人【感想】|罪を犯した本当の理由とは

こんにちは。本日は、知念実希人氏の「十字架のカルテ」の感想です。 精神疾患と刑法を扱った小説は多々あります。重大犯罪が起きると、刑法39条に焦点が当たります。 心神喪失者の行為は、罰しない。 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。 この条文に当…

『悪意』:東野圭吾【感想】|犯人が決して語らぬ動機

こんにちは。本日は、東野圭吾氏の「悪意」の感想です。 加賀恭一郎シリーズ第4作。ひとつの事件が、加賀と野々口のふたつの視点で描かれます。同じ事件であっても、それぞれの立場では全く違う見え方がします。事件の当事者なら誘導することも可能だろう。…