晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『また、同じ夢を見ていた』:住野よる【感想】|心が満たされて温かい気持ちが溢れだす

読後に感じるのは、「心が何かに満たされて温かい気持ちになる」ということです。主人公の小学生・小柳奈ノ花が、授業の宿題である「幸せと何か」を考える物語です。 「また、同じ夢を見ていた」の内容 「また、同じ夢を見ていた」の感想 奈ノ花 奈ノ花の口…

映画「ブレードランナー2049」を観た

1982年に公開された前作「ブレードランナー」から35年の時を経て、公開された「ブレードランナー2049」です。前作は、SF映画の未来に多大な影響を与えた名作として語り継がれるほどです。その続編が制作されるとなれば、当然期待は高まります。しかもリッ…

『銀翼のイカロス』:池井戸 潤|シリーズ史上、最大最強の敵に挑む

「半沢直樹」シリーズの第4作目です。今までのシリーズの中では一番スケールが大きく、手に汗握る展開に引き込まれました。前作の「ロスジェネの逆襲」では、バブル世代の半沢とロスジェネ世代の森山の両方の活躍を描いていました。そのため半沢の存在が薄…

『ロスジェネの逆襲』:池井戸 潤|失われた世代とバブル世代が世代間の確執を乗り越える

「半沢直樹」シリーズの第3弾です。前作「俺たち花のバブル組」の最後で出向させられた半沢の活躍を描いた作品です。3作目になると、どうしてもマンネリ化を隠し切れない感じがします。この小説の基本的なスタンスは「勧善懲悪」です。敵や戦いの舞台が変…

『ノルウェイの森』:村上春樹【感想】|多くのものを喪失しようとも生き続けなければならない

「ノルウェイの森」は、過去に一度読んでいます。高校生か大学生くらいの時です。内容はあまり覚えていませんでしたが、性的描写が際立つ恋愛小説だという認識だったように記憶しています。今回、数十年ぶりに読み返しました。 「ノルウェイの森」の内容 「…

『終の住処』:磯﨑憲一郎|言いたいことは何だったのか。よく分からない。

第141回芥川賞受賞作です。30歳を過ぎて結婚した夫婦の20年間を描いた作品。20年間という長い期間を描きながら、あまり時間の経過を感じませんでした。何だか時間が一定のスピードで進んでいないと感じる小説です。 「終の住処」の内容 「終の住処」の感想 …

映画「BLAME!(ブラム)」を観た

少し前の話ですが、映画「BLAME!(ブラム)」を観ました。私は「BLAME!」というマンガがあることも知らなかったので、全くの白紙の状態で映画を観ましたが、面白かった。映画館で観て良かった。というのが率直な感想です。 映画を観た後、原作を読み、ネット…

『下町ロケット』:池井戸 潤|最後まで諦めなければ夢は叶う

読み始めると止まらない。一気読みでした。ドラマを先に見ていたので、ストーリーは分かっていました。それでも面白い。ドラマは、ほぼ原作に忠実に再現されていたように感じます。 同じ池井戸潤の作品でも、半沢直樹と比べられることが多いです。半沢直樹の…

『聖の青春』:大崎善生|村山聖九段の壮絶な人生が余すところなく描かれる

知り合いに薦められて「聖の青春」を読みました。私は、村山聖九段(九段は追贈)という棋士を知りませんでした。村山九段は、私よりも4歳年上です。彼が29歳で死去した時に、私は25歳。村山九段が将棋界で活躍していた当時、私は十分に彼の存在を知る…

『影裏』:沼田真佑|色彩豊かな自然が現実の切なさを際立たせる

第157回芥川賞受賞作です。主人公である今野の日常を、時間の経過とともに淡々と綴っていく。そんな小説です。淡々と語っているに過ぎないような小説であったとしても、著者には明確な意図があって作られた小説であることには間違いありません。ただ、多くの…

『ちょっと今から仕事やめてくる』:北川恵海【感想】|追い詰められた時、逃げると言う選択肢を選べるだろうか

ブラック企業に勤める青山 隆が主人公。タイトルが「ちょっと今から仕事やめてくる」。タイトル通りの内容で、特に意外性もなく、淡々と読み進み、あっという間に読み終わってしまいました。テーマは、とても深いです。社会問題となっているブラック企業で働…

2004年本屋大賞受賞作

2003年10月〜2004年4月にかけて実施された第1回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『博士の愛した数式』小川 洋子 【得点:202点】 2位 『クライマーズ・ハイ』横山 秀夫 【得点:148点】 3位 『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂 幸太郎 【得点:111点】 …

『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』

宇宙に興味を持っている人・持っていた人は、結構いるはずです。私も子供の頃に夜空を見上げ、宇宙の壮大さに心を奪われました。宇宙に関わる仕事にも多種多様なものがあります。物理的見地から宇宙を研究する科学者。天文学者。その中でも、実際に宇宙に行…

『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』:堀江貴文

堀江貴文さんの本を読むのは初めてです。私は、堀江さんと同い年です。彼が球団買収やニッポン放送買収、衆議院総選挙など世間を騒がせていた当時、とても同い年だとは思えませんでした。賛否ありますが、バイタリティ溢れる人で時代の寵児としてマスコミを…