2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧
京都を舞台にした恋愛小説かと思えば、ファンタジー要素を随所に散りばめた不思議な小説です。現実的な出来事と非現実的な出来事が混然と混じり合い、何とも言えない読み心地を感じさせます。クラブの後輩に恋をしている大学生の物語ですが、彼の恋心を弄ぶ…
「あることをしなければ、あることが起きる」 物語の鍵となるのが「条件ゲーム提示能力」。この能力が、どれほど恐ろしい能力なのか。一見するとよく分かりません。冷静に考えると、人の心に直接影響を及ぼすのはとても危険です。読み進めていくと、徐々に気…
乙一作品を読むのは、本作が初めてです。表題作を含む3篇の短編です。短編の中でも、かなり短い部類に入ると思います。登場人物は少なく、それほど複雑なストーリーでもありません。それぞれの短編に関係性がある訳でもないので、読み応えはそれほどないと…
そろそろコートが必要になってきた11月。日が一層短くなり、寒さが日に日に身に沁みます。11月の読書本は7冊でした。あまり読めなかった印象です。11月のおすすめ度合いです。 おすすめ度★★★★★ 蜜蜂と遠雷 恩田 陸 おすすめ度★★★★ 夜の国のクーパー 伊坂幸…
第11回本屋大賞受賞作。和田 竜の小説は「忍びの国」「小太郎の左腕」を読みました。それらに比べ、村上海賊の娘は超長編です。単行本で上下巻、文庫だと4巻に及びます。超長編ながら、気が付けば一気読みでした。 戦国時代の歴史小説だと、主人公は有名な…
藤子・F・不二雄作品に対する敬愛が伝わります。本作では、「ドラえもん」に対する著者の思い入れが、随所に散らばっています。主人公の芦沢理帆子が抱く藤子・F・不二雄への思いは、著者の思いを代弁しているのかもしれません。 ドラえもんの物語には、人生…
こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「フーガはユーガ」の感想です。 伊坂幸太郎の1年ぶりの新作長編。私はまだ、彼の小説を全て読んでいません。未読の作品があるにもかかわらず、新作が出ると嬉しい。出版順に読んでいるのですが、新作ということで我慢で…
2015年11月〜2016年4月にかけて実施された第13回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『羊と鋼の森』宮下奈都 【得点:372.0点】 2位 『君の膵臓をたべたい』住野よる 【得点:327.5点】 3位 『世界の果てのこどもたち』中脇初枝 【得点:274.0点】 4位 『永…
小説より前に映画を観ています。鑑賞したのは数年前ですが、小説を読み進めると映画の記憶も蘇ってきました。映画の記憶と小説が微妙に違うのは原作からアレンジされたのか、私の記憶違いなのか。ただ、小説にかなり忠実に製作されていたのだと感じます。も…