読書LIFE ~毎日が読書日和~

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

『学びを結果に変えるアウトプット大全』:樺沢紫苑【感想】

発行部数40万部を超えるベストセラーです。以前から気になっていました。ビジネス書なのか、実用書なのか、自己啓発本なのか。私が読んだ印象では自己啓発本です。精神科医が執筆しているから、自己啓発要素が強くなるのかもしれません。 インプットを材料に…

『迷路館の殺人』:綾辻行人【感想】|迷路と見立てに潜む謎

「館シリーズ」三作目です。中村青司・島田 潔も馴染みが出てきました。本作は、作中作と見立て殺人を軸としたミステリー作品です。作中作自体に仕掛けがあることは予想できます。ただ、「迷路館の殺人」が始まると作中作であることを忘れてしまいます。 迷…

定期「2019年6月(水無月)」の読書本

梅雨の季節のはずが、例年に比べ梅雨入りは遅れました。6月に蒸し暑さを感じることは少なかった気がします。そんな中で読んだ本は8作品、10冊でした。6月の読書本のおすすめ度を紹介します。 おすすめ度★★★★★ 魔眼の匣の殺人 今村昌弘 ワイルド・ソウル 垣…

『彼女は存在しない』:浦賀和宏【感想】|多重人格に潜む謎

Twitterを見ていると読了ツイートが登場していました。18年前の作品です。私は知らなかったのですが、中居文庫で取り上げられていたようです。読了ツイートは概ね高評価のものが多い。18年前なので設定や状況が古く感じる部分はあります。携帯電話やストラッ…

『下町ロケット ガウディ計画』:池井戸 潤【感想】|小さな宇宙「人体」への挑戦

前作は、続編を意識させる終わり方でした。というより続編ありきの終わり方です。「ガウディ計画」も著者の定番「勧善懲悪」を感じさせる作品です。前作から引き続き登場している人物は、本作においても生き方に全くブレがありません。ドラマの影響で阿部寛…

『青くて痛くて脆い』:住野よる【感想】|変わっていくことは成長なのだろうか?

大学生が主人公の小説を読むと、自分が大学生だった頃を思い出します。大学生活が楽しかったのは自由だったからでしょう。お金はないが、時間を持て余していました。その時間を有効活用せずに変化のない日常を過ごしていました。ただ、日常に変化はなくても…

『ワイルド・ソウル』:垣根涼介【感想】|棄民政策の果てに・・・

第6回大藪春彦賞、第25回吉川英治文学新人賞、第57回日本推理作家協会賞の三賞を受賞した垣根涼介の代表作です。戦後の南米移民政策をベースに、ハードボイルド・ミステリー・ヒューマンドラマと言ったあらゆる要素を含んだ作品です。スピード感溢れる展開に…

『海辺のカフカ』:村上春樹【感想】|「僕」が立ち向かう先にあるものは・・・

少年カフカとナカタさんの2つのパートが交互に語られていきます。奇数章は一人称で少年カフカが描かれ、偶数章が三人称でナカタさんが描かれています。ふたつの世界が交互に描かれているのは「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を想起させます…

『謎解きはディナーのあとで2』:東川篤哉【感想】|影山の推理が再び・・・

同タイトルの続編です。前作は2011年の本屋大賞を受賞しています。執事の影山を安楽椅子探偵に見立てたミステリー作品ですが、コメディの要素も含まれてます。緻密に計算されたミステリーとコメディの組み合わせが絶妙です。どちらかと言えばコメディ色の方…

『ソードアート・オンライン12 アリシゼーション・ライジング』:川原 礫【感想】|セントラル・カセドラルを駆け上がる

エルドリエ・シンセシス・サーティワンを退け、デュソルバート・シンセシス・セブンの矢から何とか逃れたキリトたちが飛び込んだ大図書室。大図書室に住まう少女「カーディナル」との邂逅で前巻は終わりました。彼女の正体は少しだけ明かされています。 本巻…

『メモの魔力』:前田裕二【感想】|メモに対する意識が変わる

著者は有名な実業家の一人です。メディアに露出する機会もあるので、知っている人も多いでしょう。私もTVで見たことがあります。その時は、彼のメモについて特集していたように記憶しています。どこでもメモを取るという姿です。その記憶があったので、本書…

『魔眼の匣の殺人』:今村昌弘【感想】|予言の裏にある真実は・・・

「屍人荘の殺人」では、ゾンビを使ったクローズド・サークルに驚かされました。クローズド・サークルの作り方として新鮮であり、バイオテロという根拠を持ってきているので全くの虚構とは思わせないところがありました。そうは言っても現実味があるという訳…

定期「2019年5月(皐月)」の読書本

令和になり、新しい時代が始まりました。日本中がお祝いムードに溢れていたように思います。明るいニュースは誰もが歓迎するということです。5月の読書本は6作品です。冊数は7冊でした。それでは、5月の自分勝手なおすすめ度を・・・。 おすすめ度★★★★★ …

『死神の浮力』:伊坂幸太郎【感想】|死神の千葉が再び現れる

「死神の精度」で登場した新しい死神像は、とても独特でユーモアに富んでいました。前作を読んでからかなり経ちますが、千葉の印象は薄まっていません。インパクトが大きかったということですし、インパクトも楽しさの要因です。ただ「死神の精度」に対し、…

『ソードアート・オンライン11 アリシゼーション・ターニング』:川原 礫【感想】|物語が大きく動く

タイトル「ターニング」は、ターニングポイントを意味するのでしょう。物語の転換点かどうか分かりませんが、少なくとも事態が大きく動いたのは間違いありません。キリトたちの計画通りに進んできた道のりが、ある事件をきっかけに思わぬ方向に展開していき…

『水車館の殺人』綾辻行人【感想】|1年前と現在が繋がった時・・・

綾辻行人の館シリーズの第二作目。「十角館の殺人」の次作の構想をしている際に、館シリーズを思いついたと述べています。館シリーズの第二作目ですが、著者がシリーズを意識して執筆した最初の作品です。 「十角館の殺人」を読んだ時、私は伏線らしい伏線を…

『子どもたちは夜と遊ぶ』:辻村深月【感想】|浅葱に救いはあったのだろうか

文庫で1,000頁を超える長編です。結末で明かされた謎の答えがあまりに予想外でした。読んできたことの整合性を確認したくなったので2度読みです。ミステリー小説で謎が明かされると、これまでの出来事に意味が与えられ、納得感と充実感があるものです。結末…

定期「2019年4月(卯月)」の読書本

新年度が始まった4月です。慌ただしい中にも、新鮮な気持ちになる時期だと思います。4月の読書本は6作品でした。文庫で上下巻に分かれているものもありましたので、冊数で言えば9冊になります。 4月のおすすめ度合いです。ちなみに「おすすめ度★★★★★」…

『革命のファンファーレ』:西野亮廣【感想】|納得できるが、どことなく違和感が・・・

西野亮廣の本を読むのは初めてです。それほど興味のある人ではなかったので、芸人としても作家やクリエイターとしてもよく知りません。ただ「革命のファンファーレ」は話題になった本なので手に取りました。 彼が出版した絵本「えんとつ町のプペル」の制作、…

『ガソリン生活』:伊坂幸太郎【感想】|緑デミが謎を追う?

車を擬人化し物語を紡いでいきますが、仙台を舞台にした現実的(?)な物語です。登場するエピソードは、結構物騒なものが多い。普通に生活していれば到底巻き込まれないようなことばかりです。しかし、伊坂幸太郎が書けば軽快なストーリーになります。本作…

映画『キングダム』を観た

原作漫画「キングダム」は4000万部以上の発行部数を誇る人気漫画ですが、私は読んでいません。なので、純粋に映画単体の感想になります。原作との比較が出来ないので、ある意味新鮮に映画を観ることが出来たと思います。ストーリーは原作漫画に沿っているの…

『熱帯』:森見登美彦【感想】|かくして彼女は語り始め、ここに「熱帯」の門は開く

2019年本屋大賞の第4位にランキングされた作品です。著者が描く独特の世界観は何かと話題になります。今回が3冊目なので森見ワールドに関しては初心者ですが、一度読むと忘れられない雰囲気を感じ取れます。言葉では言い表しにくいですが。 誰も読み終えた…

『屋上のテロリスト』:知念実希人【感想】|テロリストの裏に隠された彼女の真実

著者の名前を聞いて思い浮かぶのは医療ミステリーです。彼の作品をそれほど多く読んでいませんが、一度感じたイメージはなかなか離れない。本作では医療は登場しません。 物語に潜む謎を解くという意味ではミステリー作品です。ただ、事件が起こり、謎が発生…

『インフェルノ』:ダン・ブラウン【感想】|ダンテの神曲が抱く謎

ロバート・ラングドン教授を主人公にしたサスペンス小説の第4作目。「天使と悪魔」「ダ・ヴィンチ・コード」は映画化されており、当時はかなり話題になりました。この2作は小説も読みましたし、映画も観ました。かなり前なので再読した上で、いずれ感想を…

映画『ハンターキラー 潜航せよ』を観た

潜水艦を扱った映画を久しぶりに観た気がします。思い出すのは、「U・ボート」から始まり「レッド・オクトーバーを追え!」「クリムゾン・タイド」「K-19」「U-571」と数え上げればキリがありません。潜水艦独特の緊張感は手に汗を握ります。 2000年代に…

2019年本屋大賞の受賞作

2018年12月〜2019年4月にかけて実施された第16回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ 【得点:435.0点】 2位 『ひと』小野寺史宜 【得点:297.5点】 3位 『ベルリンは晴れているか』深緑野分 【得点:282.5点】 4位 …

『ゲームウォーズ』:アーネスト・クライン【感想】|70年代・80年代に思いを馳せる

2018年4月に映画化された「レディ・プレイヤー1」の原作小説です。映像で表現される映画と文章で表現される小説では、かなり趣が違う印象です。映画を先に観ているので、読み進めれば映画のシーンが頭に思い浮かびます。映画の感想は、以下のリンクからどう…

『共喰い』:田中慎弥【感想】|淀んだ川縁で描かれる鬱屈した心象風景

第146回芥川賞受賞作。円城塔氏の「道化師の蝶」との同時受賞です。全体を通して、暗く鬱屈したねっとりと纏わりつくような不快感というか気持ち悪さを感じざるを得ない作品でした。読みたくなくなるというものではなく、人間の負の部分だけを抽出し表現して…

『ソードアート・オンライン10 アリシゼーション・ランニング』:川原 礫【感想】|アリシゼーションの意味が明かされる

「アリシゼーション・ランニング」は、行方不明になったキリトの行方を探す現実世界のアスナから始まります。その段階でアンダーワールドの正体が明かされていきます。前半は菊岡による解説が中心なので読んでいてだれる部分もありますが、必要な情報開示な…

定期「2019年3月(弥生)」の読書本

日々、春の訪れを感じる3月。梅が咲き、桜も咲き始める季節です。3月の読書本は7冊でした。3月のおすすめ度合いです。ちなみに「おすすめ度★★★★★」は該当なしです。 おすすめ度★★★★ 屍人荘の殺人 今村昌弘 ソードアート・オンライン8 アーリー・アンド・…