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『1行書くだけ日記』:伊藤 羊一【感想】|やるべきこと、やりたいことが見つかる

ご覧いただきありがとうございます。今回は、伊藤 羊一さんの「1行書くだけ日記」の読書感想です。

日記を書くことは、過去に何度か挑戦しました。しかし、三日坊主とは言いませんが、長続きしませんでした。

理由は簡単で、書くことが無くなってくるからです。日々、特別な出来事は起きません。昨日と似たような今日があり、それが明日以降も続いていきます。たまに普段と違うことが起きたとしても、やはり似たような日々が続きます。毎日、同じようなことを日記に書いていてもつまらない。

しかし、続かなかったことにはもっと根本的な理由がありました。何のために日記を書くのかということです。明確な目的を持っていなかったから続かなかったのです。

今回、本書を手に取ったのは、タイトルに惹かれたからです。1行だけなら、書く内容に頭を悩ませる必要はありません。また、表紙には「やるべきこと、やりたいことが見つかる!」とあります。一行だけに加え、日記の目的も明確に示しているのでしょう。何かを続けるというのは根気のいることですが、明確な目的があれば続けられます。

感想というよりは、各章の簡単な概略です。

「1行書くだけ日記」の内容

毎日1行の習慣で人生はとてつもなく変わる!仕事がうまくいかない→理想の仕事で一流に!後ろ向きの毎日→やりたいことが見つかる!体重ヤバい→ダイエット成功!たったこれだけの習慣で、劇的に変わる!【引用:「BOOK」データベース】

 

「1行書くだけ日記」の感想

第1章 なぜ、書いて振り返ると「自分がやるべきこと」が見えてくるのか

人が成長するために大事なことは「振り返り」です。日々の出来事を振り返り、自分にとっての意味を考え、気付きを得る。これを繰り返していくことで人は成長します。

気付きを得るのは特別な出来事からだけではありません。日々の出来事からでも何かに気付くことができます。それができるかどうかで成長するかどうか、成長のスピードを上げれるかどうかが決まるのでしょう。

確かに、毎日をただ過ごしていくだけでは人は成長しません。自分自身の行動から何を得るかが重要なのはよく理解できます。行動に意味を持たせることができるかどうかは、行動を理解することでもあります。

振り返りを行うために重要なのが「記録」であることも自ずと分かってきます。人の記憶力はあまり当てにできません。また、その時の行動の重要性が時間の経過とともに分かってくることもあります。だからこそ記録し続けることが大切なのでしょう。

「1行」は日記を継続させるために有効だと思います。何故ならハードルが高くない。まずは記録しないと振り返りもできないのだから、1行というのは入口として適切なのかもしれません。誰でもやってみようかという気になるのは間違いありません。

 

第2章 「1行日記」の書き方

「1行日記」の書き方と振り返りの仕方について説明されています。具体例を用いて解説しているのは、今から始めようと思っている人には分かりやすくて良い。振り返りや気付きがどれだけ大事だと理解しても、やり方が分からなればスタートもできません。

「1行日記」に書くことはその日に起こったことです。起こった事実を書くのであれば、誰でもできます。また、1行だけ書けばいいという気楽さもあります。そうやって書き溜めた1行日記を振り返ることで気付きを得ていきます。

日記に書いただけで終わってしまえば、ただの記録に過ぎません。書いたことが自分にとってどんな意味があるのかを考えることが振り返りの一部なのでしょう。自分を見つめ直すことにもなります。意味を理解すれば、何かに気付きます。

振り返りの方法についても、3つのやりかたが説明されています。「小振り返り」「中振り返り」「大振り返り」の3つです。言葉のとおり、日記を振り返る期間によって気付きの内容も変わってきます。日々の振り返り、1週間に一度程度の振り返り、半年から1年に一度の振り返り。それぞれやり方と目的が詳しく解説されています。

 

第3章 1行日記で毎日を変える ー仕事・学び・生活習慣

気付きを得れば、次にすることは行動です。気付いたことを、普段の行動に落とし込んでいきます。それらの一連の流れを習慣化することで、人は成長します。行動に反映しなければ人は成長したとは言えないのかもしれません。

行動に反映させることができれば、日々の様々な場面で成長することができます。仕事はもちろん、生活や趣味にも1行日記は活用できるのでしょう。日記の内容は仕事に限ったことでなく、日常の様々なことを書くことができます。それらから得る気付きも様々な分野に及ぶのでしょう。仕事に特化する訳ではなく、汎用性があるということです。

また、振り返りは一度だけではなく、時間をおいて何度も行うことが有効です。それらがもたらす効果については簡単にまとめることが難しいので、本書を読んでいただきたいところです。

 

第4章 「振り返り」で自分を知る、未来の自分をつくる

自分がしたいことは何なのか。それが分からずに悩み、日常を送っている人は多いでしょう。「1行日記」で振り返り、気付きを得ることで、自分が何に興味があって何をしたいのか分かるようになってきます。もちろん、最初から明確なものでなく、薄々と進むべき方向性や何に興味を抱いているのかが客観的に見えてきます。

進むべき道というのは、自分自身の人生の価値観を知ることで見えてきます。自分の価値観を知り、それに基づいて行動すれば充実した人生になるだろうし、成長のスピードも速いはずです。

将来の向かうべき方向性が分かってくれば、過去や現在の自分をどのように繋げていくかを考える必要が出てきます。人生は細切れではなく、継続性を持って続いていきます。過去も現在も意味を持たせ、未来に繋げていく必要があります。

そのための手法として「1行日記」に加えて、「ライフラインチャート」の活用が説明されています。「ライフラインチャート」は、「大振り返り」よりも大きい振り返りです。まさしく人生を振り返るということでしょう。

「1行日記」の振り返りと「ライフラインチャート」を組み合わせることで、自分自身の軸となるものが見えてきます。「1行日記」では見えてこないものが「ライフラインチャート」では見えてくるということでしょう。自分自身がより明確に見えてくるということです。

 

第5章 「振り返り」でより成長するために

より効果をあげるための応用編がいくつか紹介されています。

SNSへの投稿やシェアもそのひとつです。人に理解してもらうためには論理的で分かりやすくしなければなりません。発信する前に、自分自身の中で整理する必要があるということです。その過程でより自分自身を理解することになるのでしょう。

また、発信すれば反応が返ってきます。自分では気付かなかったことが新たに気付けるかもしれません。また、リプライやコメントに対して返信することで対話が生まれ、更なる気付きを生むこともできるでしょう。対話はSNS上だけに限らず、現実世界で行うことも重要です。

振り返りの重要性が改めて書かれています。そのための環境を用意するひとつの方策として「一人合宿」が例示されています。一人で自由に行動できる時間やお金を用意できるかどうかは人によりますが、振り返りの重要性を再度説明したというところでしょう。

 

終わりに

内容説明と私自身の感想が入り混じっているので、どこまで本書の内容なのか分かりづらくなっています。なので、興味のある方は是非読んでいただきたい。

全般的には、仕事に対する活用を前提に書かれている印象です。学びや生活習慣にも活用できると書いていますが。振り返り・気付きを得ることの目的は、どんな仕事をするか見つけるためだと感じます。現在の仕事に意義や目的意識を持てない人には、非常に有意義な本でしょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。