晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『Phantom』:羽田 圭介【感想】|自分たちが、追いかけてくる。自分たちに、のみこまれる。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、羽田圭介さんの「Phantom」の読書感想です。 羽田圭介さんの小説は、芥川賞受賞作「スクラップ・アンド・ビルド」以来です。芥川賞受賞作でありながら、読みやすくて面白かった。又吉直樹さんの「火花」とのダブ…

『切り裂きジャックの告白』:中山 七里【感想】|命を奪う者と命を守る者

ご覧いただきありがとうございます。今回は、中山 七里さんの「切り裂きジャックの告白」の読書感想です。 犬養隼人シリーズの記念すべき第一作。警視庁捜査一課の警部補「犬養隼人」を主人公にしたミステリー作品です。 捜査一課の中でも検挙率が高く優秀な…

『1行書くだけ日記』:伊藤 羊一【感想】|やるべきこと、やりたいことが見つかる

ご覧いただきありがとうございます。今回は、伊藤 羊一さんの「1行書くだけ日記」の読書感想です。 日記を書くことは、過去に何度か挑戦しました。しかし、三日坊主とは言いませんが、長続きしませんでした。 理由は簡単で、書くことが無くなってくるからで…

『太陽の塔』:森見 登美彦【感想】|すべての失恋男たちに捧ぐ

ご覧いただきありがとうございます。今回は、森見 登美彦さんの「太陽の塔」の読書感想です。 森見登美彦さんのデビュー作で、日本ファンタジーノベル大賞受賞作です。デビュー作でありながら、すでに森見ワールドが確立されています。まさしく森見作品その…

『わたしの美しい庭』:凪良 ゆう【感想】|生きづらさを抱えた人たちと、わたしの物語

ご覧いただきありがとうございます。今回は、凪良 ゆうさんの「わたしの美しい庭」の読書感想です。 五編の物語で構成されている連作短編集です。性別も年齢も立場も違う四人の視点(第一話と第五話は同じ視点)で、物語は描かれています。 物語の中心にいる…

【毎年更新】『本屋大賞』:歴代受賞作品一覧

「本屋大賞」は書店員が今一番売りたい本を投票で決める賞です。現役の書店員が勧める本だけに、読み始めるとページをめくる手が止まらない作品が多くあります。 そんな本屋大賞の歴代受賞作品を各年ごとに紹介しています。画像をクリックすると、受賞作一覧…

『リボルバー』:原田 マハ【感想】|誰が引き金を引いたのか?

ご覧いただきありがとうございます。今回は、原田 マハさんの「リボルバー」の読書感想です。 ゴッホの死の真相を描くミステリー小説で、史実をベースにしたフィクションです。 小さなオークション会社CDC(キャビネ・ド・キュリオジテ)に勤務している高遠…

『人新世の「資本論」』:斎藤 幸平【感想】|唯一の解決策は潤沢な脱成長経済だ

ご覧いただきありがとうございます。今回は、斎藤 幸平さんの「人新世の「資本論」」の読書感想です。 中央公論新社が主催する「新書大賞2021」の大賞受賞作です。斎藤幸平さんの名前は初めて聞きましたが、略歴を見ると海外でも評価されているようです。 経…

『テスカトリポカ』:佐藤 究【感想】|われらは彼の奴隷

ご覧いただきありがとうございます。今回は、佐藤 究さんの「テスカトリポカ」の読書感想です。 第165回直木賞受賞作。麻薬や臓器売買など生々しい犯罪を描いたクライムノベルです。しかし、クライムノベルと一言で言い表せるほど単純ではありません。その理…

『戦場のコックたち』:深緑 野分【感想】|生き残ったら、明日は何が食べたい?

ご覧いただきありがとうございます。今回は、深緑 野分さんの「戦場のコックたち」の読書感想です。 2016年本屋大賞7位で、第154回直木賞候補にもなっています。物語の舞台は、第二次世界大戦のヨーロッパです。ノルマンディー上陸作戦からドイツ降伏に至る…