晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

ーおすすめ記事ー
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト

2019-01-01から1年間の記事一覧

『火星の人』:アンディ・ウィアー【感想】|70億人が、彼の還りを待っている

2015年にマット・デイモン主演で映画化されています。3Dで鑑賞しましたが、壮大な映像とスケールに引き込まれた記憶があります。SFにサバイバル要素を組み合わせています。火星が舞台ですが現実感があります。近い将来の有人火星探査の可能性を感じます…

『キャプテンサンダーボルト』:阿部和重、伊坂幸太郎【感想】|世界を救うために、二人は走る

こんにちは。本日は、阿部和重氏・伊坂幸太郎氏の「キャプテンサンダーボルト」の感想です。 阿部和重と伊坂幸太郎の合作小説。伊坂幸太郎はお気に入りの作家ですが、阿部和重の小説は読んだことがありません。芥川賞作家と本屋大賞受賞作家に重なり合う部分…

『有頂天家族』:森見登美彦【感想】|面白きことは良きことなり!

京都を舞台にした現実と非現実が混ざり合ったファンタジー。森見ワールドに引き込まれます。舞台は現実の京都でありながら、登場人物は虚構です。両者が混沌とする世界には不思議と違和感がありません。京都という土地の深淵さでしょうか。 天狗と狸と人間が…

『ソードアート・オンライン18 アリシゼーション・ラスティング』:川原 礫【感想】|キリトの復活

「ソードアート・オンライン9 アリシゼーション・ビギニング」から始まった物語が完結します。人界VSダークテリトリーのアンダーワールド大戦は、アンダーワールドVSリアルワールドの側面も含んできています。戦争はアリスと関係なく進んでいきます。 ガブリ…

『魔法のコンパス』:西野亮廣【感想】|ドキドキしながら仕事してる?

西野亮廣の本は「革命のファンファーレ」に続き2作目です。出版順で言えば、逆になります。基本的に同じような内容のことが多く書かれています。それだけブレないということかもしれません。彼の生き方の根本を「指針」という形で表現しています。納得や感…

『天空の蜂』:東野圭吾【感想】|標的は原発。人質は国民。

2015年に、江口洋介主演で映画化されています。本木雅弘、綾野剛、仲間由紀恵などそうそうたるメンバーが出演しています。大画面の迫力に圧倒されました。小説を読むと細部の違いに気付きますが違和感はあまりありません。 小説は1995年に刊行されていますの…

『天使と悪魔』:ダン・ブラウン【感想】:ターゲットはヴァチカン

ロバート・ラングドンシリーズの第一作目。第二作目の「ダ・ヴィンチ・コード」が世界的にヒットし、どちらも映画化されています。「ダ・ヴィンチ・コード」が先に上映されていますが、小説は「天使と悪魔」が先です。「天使と悪魔」の映画を観たのはかなり…

定期「2019年11月(霜月)」の読書本

徐々に日が短くなり、寒さも増していく季節です。秋も終わり冬へと移り変わっていきます。 11月の読書本は、10冊でした。私のおすすめ度です。 おすすめ度★★★★★ そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ おすすめ度★★★★ ナポレオン3 転落篇 佐藤 賢一 読書する…

『人形館の殺人』:綾辻行人【感想】|打ち砕かれる世界の音を聴け

館シリーズの四作目。新本格ミステリーを打ち立てたシリーズです。「十角館」「水車館」「迷路館」は、館の中というクローズドサークルで起きた殺人を解明する王道ミステリーです。様々なトリックと複雑な人間関係を組み合わせ、納得感のある結末でした。本…

『優しい死神の飼い方』:知念 実希人【感想】|事件に挑む”死神”はゴールデンレトリバー

最初に目を引くのが文庫表紙です。柔らかい印象の絵に加え、タイトルに優しいの文字が。死神との対比が気になります。 ホスピスを舞台にした物語は、いかにも現役医師の著者らしい。余命を知った患者たちの精神がミステリーの要素になるのでホスピスは重要で…

『読書する人だけがたどり着ける場所』:齋藤 孝【感想】|本物の教養は、読書で身につく

読書は素晴らしいものです。成長を促すのはもちろんですが、そもそも楽しいし、難しいことでもありません。本書を読むとハッとさせられることが多い。読書は情報を集めるためだけのものではありません。ネットで情報取集することとは全く違うものなのです。 …

『ソードアート・オンライン17 アリシゼーション・アウェイクニング』:川原 礫【感想】

アンダーワールド大戦も佳境に入り一進一退を繰り返します。消耗戦の様相を呈してきました。ダークテリトリー軍も個々の人物が描かれ、それぞれに個性的になってきます。ダークテリトリー軍の全てが完全な悪ではないことが分かってきます。悪の定義にもより…

『ナポレオン3 転落篇』:佐藤 賢一【感想】|果たすべき、使命がある

転落篇が一番スピード感があります。二度の退位と復権、そして人生の終末へと続きます。ナポレオンの失脚は、フランス国家の変革です。一族を次々と王に任じれば、敵を作ることになるのは明白です。王政を排したフランス革命を知っているナポレオンが何故で…

『ナポレオン2 野望篇』:佐藤 賢一【感想】|世界を、手に入れろ

イタリアで勝利を得て、パリに凱旋します。英雄としてフランスでの存在感は増し、結果、イギリス方面軍司令官に任じられます。イギリスはフランスにとって大きな敵だからです。ナポレオンにとって厳しい敵であることは間違いありません。少なくとも海戦にお…

『ナポレオン1 台頭篇』:佐藤 賢一【感想】|道を拓け、己の力で

「ナポレオン・ボナパルト」 の名前を知らない人はいないだろう。フランス革命期の初代フランス皇帝であり、数多くの足跡を残している。では、彼の人生はどうだろうか。どのような幼少期を過ごし、どのようにして皇帝にまで上り詰めたのか。結果でなく、ナポ…

『高校生からわかる原子力』:池上 彰【感想】

池上彰の解説は分かりやすいし読みやすい。本書は、原子力を科学的側面と政治的側面から解説しています。 原子力の科学的側面はあまり説明されません。ウラン型とプルトニウム型、加圧水型原子炉と沸騰水型原子炉など、仕組みと理論が何となく理解できる程度…

『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ【感想】|家族よりも大切な家族

こんにちは。本日は、瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」の感想です。 2019年本屋大賞受賞作です。帯は「家族よりも大切な家族」。家族という同じ言葉で比較される家族とは、一体何でしょうか。家族はいくつもあるのでしょうか。 主人公の森宮優…

『聖女の救済』:東野圭吾【感想】|ガリレオが迎えた新たな敵、それは女。

ガリレオシリーズの長編第二作目。ガリレオシリーズは私の好きな作品のひとつです。以前、ドラマを観ていたので、真柴綾音が出るたびに天海祐希が頭に浮かんでしまいます。ドラマと小説では細部の設定が少し変えられていますが、トリック自体は同じです。答…

定期「2019年10月(神無月)」の読書本

日が短くなり、徐々に寒さも増してきました。読書の秋ですが、あまり読めなかったかな。10月の読書本のおすすめ度です。今月は、「おすすめ度★★★★★」はありません。 おすすめ度★★★★ アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎 ソードアート・オンライン16 ア…

『傲慢と善良』:辻村深月【感想】|圧倒的な”恋愛”小説

圧倒的な恋愛小説でありながら、タイトルは「傲慢と善良」です。どのような内容か気になってしまいます。純粋な感情として恋愛を描くのであれば、善良はあっても傲慢はありません。しかし、著者は人の心の奥底を描きます。人を形成した過去まで含めて、心の…

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』: 佐藤航陽【感想】|「新しい経済」を私たちはどう生きるか!

最初に気になるのが、タイトルの「2.0」です。副題から経済の話だと分かりますが、新しい経済とは?ルールとは?生き方とは? 著者の佐藤航陽は株式会社メタップスの代表取締役ですが、恥ずかしながら著者も会社も知りませんでした。フォーブスやAERAで注目…

『ラプラスの魔女』:東野圭吾【感想】|彼女は計算して奇跡を起こす

殺人の雰囲気が漂う硫化水素死亡事故から始まり、遠く離れた場所で同じような硫化水素の死亡事故が起こることで事態が動き始めます。事故だとしても再現性はなく、事件だとしても実行不可能です。事故とも事件とも言えない状態で、それぞれの見ている角度か…

『人生の勝算』:前田裕二【感想】|路上ライブで身につけた、人生とビジネスの本質!

ビジネス書というよりは、自己啓発と前田裕二の人生のノンフィクションが混ざったような印象です。彼の幼少期から現在までの足取りと、そこで得られた人生の指針について書かれています。彼は苦労したからこそ、物事から何かを得ようとし、活用しようとしま…

『アイネクライネナハトムジーク』:伊坂幸太郎【感想】|ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「アイネクライネナハトムジーク」の感想です。 6つの物語で構成される短編集です。それぞれの物語の登場人物が時空を超えて繋がります。各短編が深く関わり合っています。「出会い」をテーマにしていながら、伊坂幸太郎…

『FACTFULNESS』:ハンス・ロスリング【感想】|10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

私たちは、世界に対して間違った思い込みを持っています。世界は必ずしも悪くなっていません。データを冷静に分析すれば簡単に分かることのようです。本書では、簡単な三択クイズに答えることで世界に対する間違った思い込みを発見していきます。 何故、間違…

『ソードアート・オンライン16 アリシゼーション・エクスプローディング』:川原 礫【感想】|アンダーワールドにアスナ降臨

最終負荷実験がついに始まります。人界軍 VS ダークテリトリー軍の戦いは、守備と侵略の戦いです。アンダーワールド全体を舞台にした全面戦争は、ダークテリトリー軍による一方的な虐殺になるのでしょうか。アドミニストレータがソードゴーレムを作ったのは…

『ソードアート・オンライン15 アリシゼーション・インベーディング』:川原 礫【感想】|最終負荷実験が始まる

アドミニストレータとの決戦が終わり、アリシゼーション編が新たなステージへ進みます。暗黒界(ダークテリトリー)を含むアンダーワールド全てが舞台になります。アドミニストレータを倒しましたが、先行きは決して明るくない。 精神喪失状態のキリト。 ユ…

『宝島』:真藤順丈【感想】|沖縄のルーツがここに

第160回直木賞受賞作。サンフランシスコ講和条約から沖縄返還協定までのアメリカ施政権下の沖縄が舞台です。基地の島と言われている現在の沖縄のルーツが描かれています。沖縄戦の悲劇と20年に及ぶアメリカの施政権下に置かれた沖縄は過酷な運命を辿っていま…

『父が娘に語る経済の話。』:ヤニス・バルファキス【感想】

微妙な違いですが、経済学でなく経済の話です。著者の経験と考え方が前面に出ていて、学問的な考察は薄く感じます。「娘に語る」とタイトルにある通り、語り掛けるような文体で執筆されています。数日間で書き上げた内容なので、全てが系統立てて説明されて…

定期「2019年9月(長月)」の読書本

9月の読書本は7作品でした。冊数は8冊です。生方 丁が2作品入っています。それでは、9月の読書本のおすすめを。 おすすめ度★★★★★ まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん おすすめ度★★★★ 天地明察 生方 丁 名もなき毒 宮部みゆき おすすめ度★★★ ソードアート・オン…