段々と暖かくなっていく季節。爽やかな季節のはずが、世間はコロナで・・・。
三月の読書本は、8作品でした。私のおすすめ度です。
おすすめ度★★★★★
ペンギン・ハイウェイ 森見 登美彦
森見作品らしいファンタジックで不思議な物語です。お姉さんやアオヤマ君の個性的な印象も森見ワールドらしい。お姉さんとアオヤマ君の関係と心象に心から引き込まれます。
クドリャフカの順番 米澤穂信
古典部四人の視点で描かれることが面白くて引き込まれます。それぞれが視点になることで個性が際立ち、心の内が見えてきます。
おすすめ度★★★★
アクセル・ワールド 01 黒雪姫の帰還 川原 礫
「ソードアート・オンライン」と世界観が似ているので想像しやすい。登場人物や物語の設定の説明が多いが、黒雪姫とハルユキの会話にうまく紛れ込ませているので違和感はありません。
おすすめ度★★★
遠まわりする雛 米澤穂信
ミステリーとして読むよりは四人の内面を読んでいく感覚です。今後の奉太郎と千反田の関係はどうなっていくのか。里志と摩耶花の関係も。シリーズが続いていくことが楽しみになります。
パラレルワールド・ラブストーリー 東野圭吾
物語の結末は三角関係の行く末であり、記憶こそがミステリーの鍵です。タイトルにあるパラレルワールドという言葉に惑わされましたが、本質は三角関係のラブストーリーです。
おすすめ度★★
フランス革命 ー歴史における劇薬ー 遅塚 忠躬
フランス革命は偉大で悲惨です。人間の偉大さと悲惨さの表れでしょう。フランス革命の歴史的事実だけでなく、背後にある人々の動機や駆け引き・流れなどが分かります。
時限病棟 知念 実希人
結末の展開は意表を突かれました。刑事の捜査により、七海香が拉致の犯人であることは明かされます。犯人の正体と意図が分かってくるにつれ、今までのピエロのメッセージの意味も分かってきます。
おすすめ度★
ジャイロスコープ 伊坂幸太郎
どの短編もあっという間に終わってしまうので物足りなさはあります。アンソロジーで執筆した作品は、他の作家との関係性も影響しています。単体で読むと物足りなさを感じるのは仕方ないのかもしれません。