晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

ーおすすめ記事ー
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『君にさよならを言わない2』:七月隆文【感想】|幽霊たちとの出会いが切なさと温かさを溢れさせる

「君にさよならを言わない」の続編。続編なので登場人物や設定は引き継いでいますが、短編集なので前作を読んでいないと理解できないということはありません。ただ、前作を読んでいるのといないのとでは、受け止め方が変わってくるはずです。前作を未読の方…

『愚者のエンドロール』:米澤穂信【感想】|「古典部」がビデオ映画の謎に迫る

「古典部」シリーズの第二弾。前作「氷菓」は高校1年の入学から夏休みくらい(最終章は夏休み後、文化祭直前になってますが)までです。本作は、夏休みの終盤を舞台に描かれています。「古典部」シリーズは、高校生の学内ミステリー小説です。「愚者のエンド…

『氷菓』:米澤穂信【感想】|古典部シリーズの原点。登場人物の個性が溢れ出す

「古典部」シリーズの第一作。高校一年の折木奉太郎を主人公にした学園推理小説です。当初、角川スニーカー文庫から刊行されていますので、ライトノベル系のミステリー小説という位置付けなのでしょう。推理小説と言っても、高校が舞台なので人が死ぬことは…

『君にさよならを言わない』:七月隆文【感想】|願いを叶えた時、切なさとともに暖かい感情が心を満たす

「ぼくには、幽霊が視える。」 心残りのある幽霊の願いを叶え、成仏させる。物語の設定としては有りがちです。ありふれた設定で、オリジナリティ溢れたストーリーを作り出すのは難しい。本作もストーリーの組み立て自体に、それほど目新しいものはありません…

2013年本屋大賞の受賞作

2012年11月〜2013年4月にかけて実施された第10回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『海賊とよばれた男』百田尚樹 【得点:278.0点】 2位 『64』横山秀夫 【得点:266.0点】 3位 『楽園のカンヴァス』原田マハ 【得点:238.5点】 4位 『きみはいい子』中…

定期「2018年8月(葉月)」の読書本

8月も後半になると、朝晩は少し暑さも和らいだ気もします。昼間は相変わらずの暑さでしたが。台風などの自然災害も平年よりも多い印象でした。 8月に読んだ本は8冊でした。それでは8月の読書本のおすすめ評価を。 おすすめ度★★★★★ ジェノサイド 高野和明…

『横道世之介』:吉田修一【感想】|過ぎ去った大学生活をふと思い出す。そこにあるものは・・・

読みやすい文章に、軽快でテンポの良いストーリー展開。笑えるシーンが多くありながら、最後には心に響くエンディングが用意されています。主人公「世之介」は、取り立てて特徴のない大学生です。周りに流され、自分の意見を押し通すほど強気な部分はありま…

『崩れる脳を抱きしめて』:知念実希人【感想】|彼女と一緒に過ごした時間は幻だったのか

2018年本屋大賞第8位の作品です。医療現場を舞台にしたミステリー作品。現役医師の著者だからこそ描けると言っても過言ではありません。また、医療現場だけで物語が完結する訳ではありません。ミステリーの主軸は病院内から、病院外へと移っていきます。 恋…

『かがみの孤城』:辻村深月【感想】|居場所はひとつではない。どこにでも・・・

2018年本屋大賞受賞作です。 「かがみの孤城」は本屋大賞を受賞し、様々なメディアで高い評価を受けています。もともと彼女の作品は注目されますし、その分、世間の評価のハードルは高くなります。そのハードルの高さを一気に飛び越えるほどの素晴らしい作品…