晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『忘れられた巨人』:カズオ・イシグロ|記憶を取り戻した二人を待ち受けるものは・・・

カズオ・イシグロ氏の小説を読むのは、「日の名残り」に続き2作目となります。舞台は「日の名残り」と同じくイギリスですが、時代も背景も全く違います。この作品はファンタジーの要素が強い。 時は6世紀頃。伝説のアーサー王の死後のイギリス。まだ、彼の…

『将棋の子』:大崎善生|将棋は彼らに何を与え、何を奪うのか。

藤井聡太棋士の影響で注目を集めている将棋界。光の当たる表舞台で活躍する棋士たちの陰には、多くの夢破れた若者たちがいます。奨励会というプロ棋士になるための競争の中で敗れ去り、消えていった若者たちの闘いとその後の人生を描いたノンフィクション小…

映画「レディ・プレイヤー1」を観た

原作の「ゲームウォーズ」は未読です。原作との比較は出来ないので、純粋に映画だけの感想です。ネットやツイッターなどでは、この映画を高く評価している人が多いように感じました。高評価の上、スピルバーグ作品ということもあり期待度は大きい。 VRワール…

『甲賀忍法帖』:山田風太郎|伊賀と甲賀。闇に蠢く忍術の数々。

以前から読みたい本の一冊でした。初出が1958年と言うのが信じられないほど、面白い。60年近く経っていても、色褪せない。 伊賀と甲賀の忍者の戦い。 10対10の団体戦。 忍者同士の戦いで想像するのは、お互い鍛え上げた忍法を駆使し、その技量を持って勝敗を…

2008年本屋大賞の受賞作

2007年11月〜2008年4月にかけて実施された第5回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎 【得点:509.5点】 2位 『サクリファイス』近藤史恵 【得点:312.0点】 3位 『有頂天家族』森見登美彦 【得点:280.5点】 4位 『悪人…

『深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海』:沢木耕太郎|旅の終わり方を考え始めなければならない

第4巻「シルクロード」は、とにかく移動に次ぐ移動ばかりでした。その国々の深層にまで踏み込むほどの熱意や興味をあまり感じていないようでした。著者の比較対象は、香港になってしまっているようです。香港のような興奮を感じさせてくれない場所には惹き…

『つばさものがたり』:雫井脩介|レイの翼が小麦に届く

久しぶりに泣きそうになった一冊でした。天使と妖精のハーフの「レイ」。レイの姿が見え会話ができる叶夢。ファンタジー小説かなと思わせます。しかし、主人公の君川小麦に降りかかるのは、乳がんという現実的な苦しみ。夢であったケーキ屋を開店するも客足…

『ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット』:川原 礫|過去に囚われた三人が向かう先は・・・

ファントム・バレットの後半で、物語の終結です。キリトとデス・ガンの過去の因縁。シノンの心の闇。仮想世界と現実世界は必ずしも別の世界でなく、深く繋がりあっていて、それぞれに影響を及ぼしている。そのことがとてもよく伝わってきます。それは、心の…

『ソードアート・オンライン5 ファントム・バレット』:川原 礫|仮想の弾丸が現実の死をもたらす

第1巻から第4巻まで続いた「剣の世界」。第4巻で、アインクラッドから続く一連の事件に終止符が打たれました。アインクラッドからフェアリィ・ダンスへと話が進むにつれ、緊迫度が下がった印象があります。以前も書きましたが、「ログアウトできない」「…

『モダンタイムス』:伊坂幸太郎【感想】|検索から、監視が始まる。

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「モダンタイムス」の感想です。 「魔王」から50年後が舞台です。魔王の続編とも言えますが、物語が続いている訳ではありません。時間軸として魔王の延長線上にありますし、共通する登場人物として安藤詩織や潤也なども登…

定期「2018年3月(弥生)」の読書本

日に日に暖かくなる3月。3月の読書本は、10作品でした。年度末で仕事が忙しかったこともあり、あまり読めなかった印象です。今月は、同じ作家さんの本はありませんでした。 それでは、私の勝手なおすすめを。 おすすめ度★★★★★ 虐殺器官 伊藤計劃 マチネの…