晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『螺鈿迷宮』:海堂 尊|桜宮一族が抱く闇とは何なのか

「螺鈿迷宮」では、終末期医療と死亡時医学検索がテーマです。死亡時医学検索は、著者にとって重要なテーマです。現在の日本は死因不明社会だと断言しているからです。死因究明を果たさせない医療システムに未来はない。著者が抱いている危惧でしょう。ミス…

『深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン』:沢木耕太郎|ワレ到着セズ

旅は、イタリアに入ります。ヨーロッパに入り、いよいよ旅の終わりを実感しつつ先へ進んでいきます。第5巻でアジアの旅に思いを馳せ、二度同じ旅が出来ない喪失感を感じています。旅の目的地ロンドンが近づくにつれ、達成感からは程遠い感情が襲ってくる。…

『冷たい校舎の時は止まる』:辻村深月|誰かの意識(頭)の中に閉じ込められる

今、最も注目されている作家の一人である辻村深月のデビュー作。文庫で上下巻、1,000ページ以上の長編です。デビュー作とは思えないくらいの完成度の高いミステリー小説だと思います。 雪が降りしきる学校の中に閉じ込められた8人の生徒。閉じられた世界の…

『仕事は楽しいかね?』:デイル・ドーテン

「仕事は楽しいかね?」 こう問われれば、多くの社会人がドキッとする。そんなタイトルです。だから目を引き、読んでみようと思いました。私は、仕事を楽しいと感じていません。かと言って、辛くて仕方がないと感じている訳ではありません。朝起きて、仕事に…

映画「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」を観た

ツィッターを見ていると、かなりの確率で高評価されている「フロリダ・プロジェクト」。高評価というよりも超高評価ばかりな気がします。そこまで評価されている映画なので、あまり事前情報はなかったのですが見に行きました。 アメリカの貧困層にいる母子の…

『桜風堂ものがたり』:村山早紀【感想】|本と読み手を繋ぐ書店員の物語

読後は、とても優しく満たされた気分になります。書店と書店員の物語。しかし、単なる職業小説ではありません。本に向き合う書店員たちの暖かくひたむきな思いと、彼らの心の交流を描いています。彼らが本を愛する気持ちが、ひしひしと伝わってきます。本を…

『あるキング』:伊坂幸太郎【感想】|Fair is foul , and foul is fair

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「あるキング」の感想です。 著者は、作品が文庫化する時に加筆・修正することがあります。前回読んだ「モダンタイムス」もそうでした。「あるキング」も、雑誌連載時・単行本・文庫とそれぞれに加筆修正されてます。 単…

定期「2018年4月(卯月)」の読書本

桜の季節。入学や就職などで、多くの人の環境が変わる慌ただしい時期です。4月の読書本は、8作品でした。春の暖かさの中、のんびりと読書していた気がします。ラノベ・時代物など、いろいろです。それでは、私の勝手なおすすめを。 おすすめ度★★★★★ つばさ…

『謎解きはディナーのあとで』:東川篤哉|執事が解き明かす事件の謎

2011年の本屋大賞受賞作。1話完結の短篇集で、第6話まであります。殺人事件を捜査するミステリー物ですが、本格的なミステリーを期待して読むと肩透かしを食らいます。 主要登場人物は「宝生麗子」と上司の「風祭警部」、麗子の執事兼運転手「影山」です。…

2009年本屋大賞の受賞作

2008年11月〜2009年4月にかけて実施された第6回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『告白』湊かなえ 【得点:411.0点】 2位 『のぼうの城』和田竜 【得点:328.0点】 3位 『ジョーカー・ゲーム』柳広司 【得点:243.5点】 4位 『テンペスト』池上永一 【得…

『世界を変えた10冊の本』:池上 彰

テレビで見ている池上彰さんの解説は分かりやすい。分かりやすい上に物腰が柔らかく上品で、それでいて主張すべきことはきちんとする。今、最も充実しているジャーナリストの一人だと思います。その池上彰さんの本を読むのは初めてです。 本のタイトルの通り…