晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『盤上の向日葵』:柚月裕子【感想】|彼が思った「潮時」とは一体・・・

第15回本屋大賞第2位のミステリー小説です。ミステリー小説でありながら、ヒューマンドラマとしての側面を強く感じます。死体遺棄事件の謎を解明するミステリーですが、序章の段階で事件に関わる人物が特定されています。異例の経歴を持ってプロ棋士になっ…

『ひとつむぎの手』:知念実希人【感想】|医師として、人として、一番大切なものは何か

こんにちは。本日は、知念実希人氏の「ひとつむぎの手」の感想です。 2019年本屋大賞ノミネート作品。大学病院の心臓外科を舞台に描かれる生々しい医師の姿は、医師である著者だからこそ描けるのでしょう。ミステリーの要素を含みながらも、医者の矜持を描い…

『水底フェスタ』:辻村深月【感想】|偽りの平穏に押し潰される

読後の喪失感が胸を強く圧迫しました。村社会の実態が明らかになるにつれ、息が詰まるような閉塞感が襲います。ムツシロ・ロック・フェスティバル(ムツシロック)という開放的で躍動感溢れるロックフェスを始まりにすることで、その後の睦ッ代村の閉鎖性が…

2018年本屋大賞の受賞作

2017年11月〜2018年4月にかけて実施された第15回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『かがみの孤城』辻村深月 【得点:651.0点】 2位 『盤上の向日葵』柚月裕子 【得点:283.5点】 3位 『屍人荘の殺人』今村昌弘 【得点:255.0点】 4位 『たゆたえども沈ま…

『誰か』:宮部みゆき【感想】|家族だからこそ逃れられない

杉村三郎シリーズの第一弾。読者は杉村三郎の視点を通じて、事件の真相に迫っていきます。杉村三郎は普通のサラリーマンです。特別な能力を有していないので、彼の視点で描かれる世界は馴染みやすい。彼が考えていることも共感しやすい。謎が輻輳していても…

定期「2019年1月(睦月)」の読書本

2019年最初の月の読書本です。1月の読書本は6冊でした。最近は月10冊に届かないペースです。読みたい本はたくさんあるのですが、読書ペースが追い付いていかない。1月は「図書館の魔女」を読むのに時間を費やしました。それではおすすめ度を紹介します。「お…

『図書館の魔女 烏の伝言』:高田大介【感想】|裏切り者の街を駆け巡る

「図書館の魔女」の続編。前作は、ニザマ・アルデシュ・一の谷の三国和睦により戦役が回避され、ニザマの宦官宰相ミツクビを失脚させたところで終わりました。三国和睦の実現で、物語を一区切りさせた印象です。宦官中常侍の失脚で、ニザマに政情不安による…

『江戸忍法帖』:山田風太郎【感想】|七人の忍者と対峙する一人の侍

以前読んだ「甲賀忍法帖」がかなり面白かったので、本作を読みました。続編ではないのですが、同様に楽しませてくれるだろうと期待は大きかった。細かい設定は抜きにして、本作は忍者対武士と言えます。甲賀七忍と四代将軍家綱の落胤「葵悠太郎」との戦い。…