晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』:辻村深月|チエミとみずほは救われたのか

主人公は、幼馴染の神宮司みずほと望月チエミ。この二人を軸に、母娘の関係・女友達の関係を生々しく重苦しく描いています。30歳のみずほとチエミが感じる感情に共感できるかどうか。彼女たちが歩んできた今までの人生に共感できるかどうか。また、登場する…

『たゆたえども沈まず』:原田マハ|フィンセントとテオ。離れられない関係だからこそ・・・

画家「フィンセント・ファン・ゴッホ」の物語。2018年本屋大賞の第4位に輝いています。フィンセントの物語ですが、彼の視点で彼の人生が描かれている訳ではありません。フィンセントの弟「テオドルス・ファン・ゴッホ」とパリ在住の美術商「加納重吉」の視…

映画「空飛ぶタイヤ」を観た

池井戸潤作品は数多く映像化されていますが、映画化は初めてのこと。意外な気もします。 原作の空飛ぶタイヤは、結構な長編です。登場人物も多いし、人間関係も状況も複雑に進展していきます。それを2時間という枠内で、どれほど表現できるのか。原作を読ん…

『池上彰と考える、仏教って何ですか?』:池上 彰

普段、宗教について意識することは少ない。「家の宗教は?」って聞かれると、仏教と答えます。「宗派は?」と聞かれれば、檀家となっているお寺の宗派を答えます。ちなみに、私は西山浄土宗です。檀家と言っても法事やお盆や葬式の時にお世話になり、毎年会…

『仮面病棟』:知念実希人|ピエロの真の目的は何なのか

知念実希人の作品を読むのは初めてです。「崩れる脳を抱きしめて」が、2018年本屋大賞8位になるなど注目の作家です。仮面病棟は、一気読み必死の本格ミステリー×医療サスペンスという触れ込みです。閉ざされた病院内は、読み手に手に汗を握る緊張感を与えて…

『クジラの彼』:有川 浩|自衛官の恋愛に心が引き寄せられる

自衛隊を舞台にしたラブコメ。有川浩の持ち味がたっぷりと楽しめる作品です。6編の短編から成る短編集。登場人物は自衛隊員。自衛隊員という縁遠い世界の人々の恋愛模様を、甘く描いています。まるで、高校生のような初々しさすら感じさせるほどです。ドロ…

『オー!ファーザー』:伊坂幸太郎【感想】|家には父親が四人いる!?

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「オー!ファーザー」の感想です。 ゴールデンスランバー以降、作風が変化している伊坂幸太郎。しかし「オー!ファーザー」は、以前の伊坂幸太郎らしさが前面に出た作品です。 読者をニヤリとさせる会話の応酬。 伏線を張…

定期「2018年6月(水無月)」の読書本

梅雨の季節。蒸し暑い環境の中で読んだ本は、7冊でした。部屋の中で、冷房を効かせて本を読む。そんな環境でないと、なかなか本に集中できない。集中力のなさが際立ちます。それでは、6月の読書本のおすすめを。 おすすめ度★★★★★ ハーモニー 伊藤計劃 空飛…

映画「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」を観た

「ローグワン」に続く、スター・ウォーズのスピンオフ作品。「ハン・ソロ」は、監督交代やアメリカでの興行成績の苦戦などマイナスイメージが強い。スター・ウォーズというブランドがあるから、興行成績が全く振るわないということはないでしょう。しかしそ…

『旅猫リポート』:有川 浩【感想】|サトルとナナの最後の旅

勘のいい人なら物語のかなり早い段階で、主人公の悟がナナを飼えなくなった理由に気付きます。遅くとも「Report-03 スギとチカコ」の章でのトラマルの台詞で、確実に気付くでしょう。ナナを飼えなくなった理由が単なるリストラでないことを。 悟とナナを待ち…

2011年本屋大賞の受賞作

2010年11月〜2011年4月にかけて実施された第8回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉 【得点:386.5点】 2位 『ふがいない僕は空を見た』窪美澄 【得点:354.5点】 3位 『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦 【得点:310…

『風に舞いあがるビニールシート』:森 絵都|人にとって大切なものとは何なのか

第135回直木賞受賞作。森 絵都の作品は「カラフル」を読んで以来、2作目です。カラフル」は中高生向けの印象でした。本作は6編から成る短編集です。それぞれが独立した話であり、全く関係性がありません。しかし、6編には共通するテーマがあると思います…

『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』

本格ミステリ。この言葉の定義は、一言で言い表すには難しい。物語中に提示された謎を解くことに重きが置かれた小説のことだろうか。その謎の難解さと、それが明かされた時の納得感が見事な作品が本格ミステリーなのかな。 この本に掲載されている7人の作家…