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『人を操る禁断の文章術』:メンタリストDaiGo【感想】|たった1行で、人は踊らされる

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 こんにちは。本日は、メンタリストDaiGo氏の「人を操る禁断の文章術」の感想です。

 

 とても実用的な内容です。文章を作成する時の目的を明確化しています。本書の目的を簡潔に言ってしまえば、

読む⇒言葉に反応する⇒想像する⇒行動を起こす

 このサイクルを起こさせることが重要だということです。文章が持つ力は大きく、その影響力は広い。その中でも、「今すぐ人を行動させること」に特化しています。

 文章が読者にもたらすのは情報です。情報をどのように伝えるかで、読む者の行動を起こさせます。小説や自己啓発やビジネス書も同じだろう。小説は読者の心に訴えかけ現在と未来の行動に影響を与えます。自己啓発やビジネス書も同様です。

 文章は影響を与えてこそ意味があります。伝えたいことを伝えきれていないと影響を与えられない。影響がなければ行動に移りません。

 本書はビジネスシーンを念頭に置いています。だからこそ、目的が明確です。書き手が何を求めているか。それをどのように伝えるかを技術的な側面で説明しています。本書の内容が全ての文章に一般化できるかどうかは分からりませんが、一般人が文章を書くシーンは限られています。そのシーンの大半に活用できるだろう。

「人を操る禁断の文章術」の内容

たった1行で、人は踊らされる。メール、企画書、LINEで使えるメンタリズムシリーズ最終兵器。【引用:「BOOK」データベース】  

 

「人を操る禁断の文章術」の感想

第1章 文章が持つ力は∞(無限大)

 文章が持つ力を具体例を用いながら解説しています。アメリカの大型量販店で、売り上げをアップさせた文章を紹介しています。「なるほど」と思わせます。そして感心します。棚に並んでいる商品をアピールする宣伝文句でなく、それをきっかけに違う商品の購入に行動を起こさせる。確かに、思わず買ってしまう気持ちはよく分かります。想像力が刺激されるからだろう。購入後の自分の姿が想像できるから買ってしまいます。答えを見れば納得ですが、思いつくかどうかです。

 文章を書く時は、自分が書いた文章を読んでほしい気持ちが大きい。自分の思いを確実に伝えたいと思ってしまいます。そこに読者の視点が存在しません。綺麗な文章にしたり、文章量を求めたり、表現に凝ってみたり。それらは書き手の思い描く理想の文章に過ぎないだろう。

 読み手に読んでもらい、想像力を刺激し、行動してもらうことが重要です。そのためには、読み手を動かす文章を書かなければなりません。書き手の満足はあまり関係ないのだろう。

 では、文章を書く上で大事なことは何か。心を動かす文章には、共通する3つの原則があります。

 

  1. あれもこれもと書き過ぎないこと。
  2. きれいな文章を書こうとしないこと。
  3. 自分が書きたいことを書かない。

 

 今まで文章を書く時に行ってきたことの真逆です。この3つが駄目だとすれば、今まで書いてきた文章は、読み手の想像力を刺激し、行動に繋げられていなかったということです。しかし、文章術は後天的な訓練でいかようにも変えることができます。そのための技術も説明されていきます。 

 

第2章 「書かない」3原則で人を操る

 読み手の心を動かすメンタリズム文章術の3つの「原則」は、文章を書く時の土台になるものです。

  1. あれこれ書かない
  2. きれいに書かない
  3. 自分で書かない

 まずは、「あれこれ書かない」です。短い文章で行動を起こさせるテクニックです。

 文章を書く時の視点は、自分が伝えたいことではなく、読み手にどんな行動をして欲しいかです。どのように書けば読み手が動いてくれるのかを考えます。そのためには、「したくなる文章」を書かなければなりません。読み手のために丁寧に説明した文章は、読み手の想像力の入り込む隙がありません。情報を受け取ることはできますが、それ以上何も生みません。

 人は想像力が働くことで行動に移ります。詳しく説明されていなくても、読み手の想像力が補ってくれます。想像力を働かせる文章が「したくなる文章」です。

 次に、「きれいに書かない」です。きれいな文章は表面的な文章に感じられます。それでは、読み手の感情を動かすことはできません。定型化された言い回しや文体は、記憶に残らない。内容がありきたりで予測されるから、そもそも読まれない可能性が高い。

 しかし、文章を書く時はきれいな文章がいいと思い込んでいる人が多い。綺麗な文章には感情が籠らないものです。形式に拘り過ぎるからかもしれません。人は感情で動きます。読み手の感情と想像力を刺激するためには、きれい過ぎる文章は役立たないのだろう。

 最後は、「自分で書かない」です。そもそも、自分で書かないとはどういうことなのか。自分で考えて書くのではなく、書くべきことは読み手の中にあるということです。読み手がどういう人物なのかしっかりを調べておくことが重要です。読み手は読みたいものしか読んでくれません。読ませたい文章を書くのではなく、読み手が読みたくなる文章を書く。書く前に全てが決まっていると言えます。 

 

第3章 人を動かす7つの引き金で、何を書けばいいかもう悩まない

 7つの引き金は、メンタリズムを文章に応用したものです。言葉によって相手の心を動かすための7つの手法です。

 人は自分の求めることと関連のある文章は読もうとします。求めることが書いてある文章には、読み手に対して求心力があります。読み手の心の内を観察し、その文章を読みたいと思わせる引き金(トリガー)を文章に散りばめていく。結果、読み手は文章を読み始めます。引き金は7つです。

  1. トリガー1「興味」
  2. トリガー2「ホンネとタテマエ」
  3. トリガー3「悩み」
  4. トリガー4「ソン・トク」
  5. トリガー5「みんな一緒」
  6. トリガー6「認められたい」
  7. トリガー7「あなただけの」

 それぞれの分野に関連する言葉を引き金として、読み手の心を誘導します。目新しさがないのは、人間にとって基本的な欲求だからだろう。ただ、このことを実践できるかどうかが、人を動かす文章を作れるかどうかの違いです。

 これらのトリガーを効果的に使うには、読み手を観察することから始まります。観察する時に着目するのが7つの視点です。全てを観察し尽くす必要はありません。これらの中から効果的なトリガーを組み合わせて使うことで人を動かすことができます。

 

第4章 あとは、5つのテクニックに従って書くだけ

 読み手を行動に移させる文章のテンプレートです。実際に文章を書く時には、長短に関わらず活用できます。テクニックは5つです。

  1. テクニック1「書き出しはポジティブに」
  2. テクニック2「なんども繰り返す」
  3. テクニック3「話しかけるように書く」
  4. テクニック4「上げて、下げてまた上げる」
  5. テクニック5「追伸をつける」

 知っているかどうか、効果的に活用できているかどうかで文章は全く変わってきます。難しいことではないので、文章を書く時に意識すれば活用できます。

 

「書き出しはポジティブに」

 書き出しは読み手を惹きつけるための最も重要な入口です。第一印象はずっと残り続け、読み手に影響を与え続けます。初めて会う人の印象は、第一印象でほぼ決まります。文章も同じです。好印象に見せるためには、書き出しに気をつかう必要があります。

 

「なんども繰り返す」

 繰り返すことにより、文章の説得力が増します。注意すべきことは、同じ言葉を繰り返さないことです。同じ「意味」と「感情」を違う言葉や表現で繰り返します。全く同じ言葉が繰り返されると、読み手は飽きてしまいます。大事なのは、違う表現で繰り返すことのできる語彙力です。

 

「話しかけるように書く」

 会話は、相手の反応を見ながら行います。相手がどのように答えるかを想像しながら会話を続けています。文章も同じように、相手がどうこたえるか想像しながら書きます。読み手の反応を想像しながら書くことが、話しかけるように書くということです。普段、会話を行っているのなら、話しかけるように書くことはそれほど難しいことではありません。

 

「上げて、下げてまた上げる」

 文章にメリハリを付けます。単調な文章は飽きられますし、記憶に残りません。感情が動くからこそ、読み手の想像力が働きます。感情を上げて、下げて、また上げる。読み手の感情は揺り動かされます。このことは感動を生むことにもなります。感動を生む文章には、人を動かす力があります。

 

「追伸をつける」

 「追伸」が最も人の心に残ります。追伸には、次に繋がる内容を書きます。次に繋がるということは、文章は完結していないということです。先がある文章は、人の記憶に残ります。未完の情報ほど頭の中に残ります。忘れているように見えても、無意識下に残り続けます。 

 

終わりに

 人を動かす文章を書くテクニックです。文章を書いたり、読んだりすることは少なくありません。ビジネスシーンや友人たちとのメールで日常的に文章に触れています。何も意識せずに書いていれば、読み飛ばされてしまうかもしれません。それを防ぎ、読み手の心に届き、行動を起こさせるためには、何を意識して文章を書くべきか。具体的な考え方やテクニックが分かりやすく説明されています。

 読み終えた時から実践できる内容であり、効果も掴みやすいだろう。今までの自分の文章を振り返ると、本書の内容をほとんど意識せず書いていたと実感します。