晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『道化師の蝶』:円城 塔|あまりの難解さに著者の意図が分からない

第146回芥川賞の受賞作。田中慎弥さんの「共喰い」と同時受賞です。円城塔氏の作品は、伊藤計劃氏との共作「屍者の帝国」を以前に読んだことがあるだけでした。その感想はいずれ書こうと思っていますが、文章表現がかなり難解でした。 「道化師の蝶」を読む…

『ジェネラル・ルージュの凱旋』:海堂 尊|速水晃一の生き様が心に響く

実に爽快で分かりやすく引き込まれる作品です。主役の速水晃一がかっこよすぎるくらいかっこいい。ジェネラルの称号にも納得の存在感と威厳です。もともと「ジェネラル・ルージュの凱旋」と前作の「ナイチンゲールの沈黙」は一つの物語として執筆されていた…

映画「忍びの国」を観た|伊賀忍者の本性と迫力のアクションに引き込まれる

映画「忍びの国」を観てきました。 小説がかなり面白かった(私の感想ですが)ので、公開されたらすぐに観に行こうと思っていましたがなかなか忙しく、ようやく見に行くことができました。「忍びの国」はもともとオリジナル脚本として書かれ、それをベースに…

『ナイチンゲールの沈黙』:海堂 尊|小夜の歌声が物語を導いていく

前作「チーム・バチスタの栄光」の続編となっていますが、前作から9か月後の話であり事件自体が継続しているわけではありません。東城医大を舞台にした新しい話です。 前作が評価が高かったので期待して読みましたが、何となく消化不良というかイマイチでし…

『本を読む人だけが手にするもの』:藤原和博|本を読まないことで重要なことを失う

読んでみて最初の感想は、読めば読むほど納得させられる思いでした。この本はおそらく本を読まない人、もしくはほとんど読まない人に対して書かれているのでしょう。そもそも、そういう人がこの本を手にするかどうかも疑問ですが。 それはさておき、この本は…

『イン・ザ・プール』:奥田英朗|ハチャメチャ伊良部に振り回される?

とにかく面白かった。通勤中の電車の中で読んでいたのですが、顔が笑っていたかもしれません。変な人に思われたかも・・・。 5つの短編からなる物語で、一話完結で読みやすい。悩みを抱えた5人の患者と、とんでもなく変な精神科医のドタバタ劇に引き込まれ…

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』:フィリップ・K・ディック|人間とアンドロイドに違いはあるのか

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の内容 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の感想 近未来SF 人間が人間である意味 終わりに 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の内容 長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残った…

『怒り』:吉田修一|最後まで人を信じることの難しさ

あらすじを見る限り、殺人事件の犯人の行方と「怒」という文字の意味を解き明かしていくミステリー小説と思って読み始めました。しかし、小説の導入部分で殺人事件が起こり犯人が「山神一也」と判明した後は、全くの予想外の展開が始まりました。 「怒り」の…

『沈まぬ太陽(会長室篇)』:山崎豊子|恩地の果てなき闘いが終わる・・・

「沈まぬ太陽(会長室篇)」の内容 「沈まぬ太陽(会長室篇)」の感想 善と悪 単純に区分していいのか 終わりに 「沈まぬ太陽(会長室篇)」の内容 「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だ…

『沈まぬ太陽(御巣鷹山篇)』:山崎豊子|決して風化させてはいけない

「沈まぬ太陽」は、取材に基づいた事実と創作が入り混じった小説です。「御巣鷹山篇」は、昭和60年に起こった日本航空123便墜落事故であることは明らかです。主人公の恩地のモデルとなった小倉寛太郎は、この墜落事故には関わっていません。彼をモデルにした…

『沈まぬ太陽(アフリカ篇)』:山崎豊子|果てに流され続けても、屈せず耐え抜く男

「この作品は、多数の関係者を取材したもので、登場人物、 各機関・組織なども事実に基づき、小説的に再構築したものである」 「事実に基づき、小説的に」という言い方が微妙です。事実に基づいているが、創作されている部分もあるということでしょうか。た…

『テロリストのパラソル』:藤原伊織|ハードボイルドな生き様がここにある

史上初の江戸川乱歩賞と直木賞のW受賞作品です。藤原伊織さんはすでに死去されています。ミステリーなので、ネタバレなしを心掛けます。 「テロリストのパラソル」の内容 「テロリストのパラソル」の感想 ハードボイルド小説 世界が狭い アウトローたち 終わ…