晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『ダブル・ジョーカー』:柳 広司|結城中佐の隠された過去が明かされる

「ジョーカー・ゲーム」の第2作目。6話から成る短編集です。第二次世界大戦前から開戦に至る混沌とした時代を背景に「D機関」のスパイが暗躍する。物語自体はフィクションでありながら現実の時代背景を舞台に描かれているので、とてもリアリティ溢れる緊…

『マツリカ・マジョルカ』:相沢沙呼|彼女の命令に従う時、彼の何かが変わっていく

相沢沙呼のマツリカシリーズ第一弾。短編4編から構成される小説です。高校生の頃に読んでいれば、違った感想を持っただろう。もっと主人公である「柴山祐希」に共感できたかもしれません。だからと言って、全く共感出来ない訳でもありません。自分が高校生…

『民王』:池井戸 潤|今の政治家は、政治家としての矜持を持っているのか

ドラマを先に観ていたので、小説を読んでいて登場人物の印象がドラマの印象に引っ張られてしまいます。ただ、ドラマのキャスティングは小説のイメージに近いかなと感じたので違和感はありませんでした。 池井戸潤の小説らしく爽快感があり、読んでいて楽しい…

『マチネの終わりに』:平野啓一郎|大人の切なく美しい恋物語

主人公の「蒔野聡史」は38歳。「小峰洋子」は40歳。恋愛小説の主人公としては、年齢が高い。恋愛小説の主人公は、10代から20代くらいの若者の物語が多い。30代40代になると、不倫をテーマにした物語が多くなっている気がします。しかし、年齢を重ねたからと…

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』:村上春樹|ふたつの世界の関係性は一体・・・

「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」のふたつの世界を舞台にした物語が、交互に語られていきます。小説の構成上、交互に描かれていますので同時進行的に語られていきます。しかし、同時に語られているから同じ時間軸で同時に起こっているこ…

『コーヒーが冷めないうちに』:川口俊和【感想】|人は、何故、変えられない過去に行くのか。

2017年の本屋大賞ノミネート作品です。読めば「4回泣けます」という通り、短篇四話から成る短編集です。過去に戻れる喫茶店を舞台に、恋人・夫婦・姉妹・親子の愛を描いた物語。 過去に戻る物語と聞くと、SF的な印象を受けます。過去に戻って、人生をやり直…

2007年本屋大賞の受賞作

2006年11月〜2007年4月にかけて実施された第4回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『一瞬の風になれ』佐藤 多佳子 【得点:475.5点】 2位 『夜は短し歩けよ乙女』森見 登美彦 【得点:455.0点】 3位 『風が強く吹いている』三浦 しをん 【得点:247.0点】 …

『直感力』:羽生善治|直感とは、いかなるものなのか。

平成30年2月13日(火)に、囲碁の井山裕太氏とともに「国民栄誉賞」を受賞された羽生善治氏の著書です。羽生氏の著書は初めて読みました。将棋界は、藤井聡太(六段)の影響で非常に注目を集めています。将棋はマイナーなイメージがあるので、注目を浴びるの…

『深夜特急4 シルクロード』:沢木耕太郎|シルクロードの長距離バスは凄まじい

第3巻「インド・ネパール」で、ようやく本来の旅の出発地であるデリーに辿り着きます。デリーでの出来事は、第1巻「発端」において既に詳細に描かれています。第4巻は、発端の続きです。デリーを出発するところから始まります。少しだけ、回想としてデリ…

『火花』:又吉直樹|芸人とは、一体何なのか

第153回芥川賞受賞作。純文学としての「火花」をどのように読み解いていくのか。芥川賞受賞作を読むたびに、自分自身の純文学の読解力のなさに辟易してしまいます。「火花」においても、純文学として何が評価されたのか理解できませんでした。人の心象を深く…

定期「2018年2月(如月)」の読書本

2月は大雪も多く、荒れた天気が多かった印象です。2月の読書本は、9冊でした。仕事が忙しかったせいもあり、1か月の読書量としては少なったかな。 前月に引き続き、伊坂作品に偏ってしまいました。ただ、ミステリーや恋愛・自己啓発とバラエティはありま…

『虐殺器官』:伊藤計劃【感想】|現代における罪と罰

こんにちは。本日は、伊藤計劃氏の「虐殺器官」の感想です。 この小説を読んで、ふたつのことを感じました。まずは、これがデビュー作なのかという驚きです。 設定は、9.11以降。フィクションでありながら、現実感の伴う設定に驚かされます。 テロとの戦いの…