ドラマを先に観ていたので、小説を読んでいて登場人物の印象がドラマの印象に引っ張られてしまいます。ただ、ドラマのキャスティングは小説のイメージに近いかなと感じたので違和感はありませんでした。 池井戸潤の小説らしく爽快感があり、読んでいて楽しい…
主人公の「蒔野聡史」は38歳。「小峰洋子」は40歳。恋愛小説の主人公としては、年齢が高い。恋愛小説の主人公は、10代から20代くらいの若者の物語が多い。30代40代になると、不倫をテーマにした物語が多くなっている気がします。しかし、年齢を重ねたからと…
「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」のふたつの世界を舞台にした物語が、交互に語られていきます。小説の構成上、交互に描かれていますので同時進行的に語られていきます。しかし、同時に語られているから同じ時間軸で同時に起こっているこ…
2017年の本屋大賞ノミネート作品です。読めば「4回泣けます」という通り、短篇四話から成る短編集です。過去に戻れる喫茶店を舞台に、恋人・夫婦・姉妹・親子の愛を描いた物語。 過去に戻る物語と聞くと、SF的な印象を受けます。過去に戻って、人生をやり直…
2006年11月〜2007年4月にかけて実施された第4回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『一瞬の風になれ』佐藤 多佳子 【得点:475.5点】 2位 『夜は短し歩けよ乙女』森見 登美彦 【得点:455.0点】 3位 『風が強く吹いている』三浦 しをん 【得点:247.0点】 …
平成30年2月13日(火)に、囲碁の井山裕太氏とともに「国民栄誉賞」を受賞された羽生善治氏の著書です。羽生氏の著書は初めて読みました。将棋界は、藤井聡太(六段)の影響で非常に注目を集めています。将棋はマイナーなイメージがあるので、注目を浴びるの…
第3巻「インド・ネパール」で、ようやく本来の旅の出発地であるデリーに辿り着きます。デリーでの出来事は、第1巻「発端」において既に詳細に描かれています。第4巻は、発端の続きです。デリーを出発するところから始まります。少しだけ、回想としてデリ…
第153回芥川賞受賞作。純文学としての「火花」をどのように読み解いていくのか。芥川賞受賞作を読むたびに、自分自身の純文学の読解力のなさに辟易してしまいます。「火花」においても、純文学として何が評価されたのか理解できませんでした。人の心象を深く…
2月は大雪も多く、荒れた天気が多かった印象です。2月の読書本は、9冊でした。仕事が忙しかったせいもあり、1か月の読書量としては少なったかな。 前月に引き続き、伊坂作品に偏ってしまいました。ただ、ミステリーや恋愛・自己啓発とバラエティはありま…
こんにちは。本日は、伊藤計劃氏の「虐殺器官」の感想です。 この小説を読んで、ふたつのことを感じました。まずは、これがデビュー作なのかという驚きです。 設定は、9.11以降。フィクションでありながら、現実感の伴う設定に驚かされます。 テロとの戦いの…
辞書を作る。小・中・高校と国語辞典を使っておきながら、どうやって作られているのかを考えたことなど一度もありません。辞書は小説などと違い、その目的がはっきりしています。分からない言葉を調べるということです。同じ書物でありながら、異質のもので…
自分の眼で世界を見て判断し、自分の意志で生きていくこと。惰性で流され、何も考えないで生きていることが、どれほど恐ろしいことなのか。伊坂幸太郎が描きます。