晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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『ファーストラヴ』:島本理生【感想】|彼女たちは救われたのだろうか

第159回直木賞受賞作。恋愛小説をイメージさせるタイトルながら、帯には「なぜ娘は父親を殺さなければならなかったのか?」と書かれています。一体、どのような内容の小説なのか気になっていました。直木賞を受賞した話題性もあり、期待感が高まります。 読…

定期「2018年12月(師走)」の読書本

年末のバタバタとした時間をやり過ごしながら、時間を作って本を読んでいました。2018年に読んだ本は100冊程度でしょうか。12月の読書本は7作品です。12月のおすすめ度合いです。 おすすめ度★★★★★ 村上海賊の娘 和田 竜 おすすめ度★★★★ フーガはユーガ 伊坂…

『残り全部バケーション』:伊坂幸太郎【感想】|いくつもの話は、やがて大きな物語に

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「残り全部バケーション」の感想です。 五章から成る連作短編集です。各短編ごとで完結してますが、それぞれが関係し合っています。第五章を読むと、今までの物語が最終章のための伏線であったようにも感じます。全てが最…

2017年本屋大賞の受賞作

2016年11月〜2017年4月にかけて実施された第14回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『蜜蜂と遠雷』恩田 陸 【得点:378.5点】 2位 『みかづき』森 絵都 【得点:331.0点】 3位 『罪の声』塩田武士 【得点:305.0点】 4位 『ツバキ文具店』小川 糸 【得点:…

『図書館の魔女』:高田大介【感想】|図書館は人の知り得るが世界の縮図

第45回メフィスト賞受賞作。著者のデビュー作になります。単行本上下巻で1500頁近い超大作です。ファンタジー作品ですが、リアリティのある世界観に基づいた物語は読み進めるほどに引き込まれていきます。物語が劇的に進展する箇所もあれば、その前段階とし…

『名前探しの放課後』:辻村深月【感想】|人は変わることができる

二度読みしました。本作を読む前に、先に読んでおくべき作品がいくつかあります。少なくとも、「ぼくのメジャースプーン」を読んでから読むことをお勧めします。出来れば、「凍りのくじら」も読んでおいた方が面白いかも。あまり書くとネタバレしそうなので…

『ハサミ男』:殊能将之【感想】|仕組まれた叙述トリックに驚愕する

著者のデビュー作であり、1999年に第13回メフィスト賞を受賞した作品です。ミステリー小説の醍醐味は、結末が自分の予想を裏切り、しかも納得されられる結末であることです。そういう意味では、見事に予想を裏切られました。物語の終盤に一気に謎が明かされ…

『夜は短し歩けよ乙女』:森見登美彦【感想】|現実と非現実的の境目が曖昧になる

京都を舞台にした恋愛小説かと思えば、ファンタジー要素を随所に散りばめた不思議な小説です。現実的な出来事と非現実的な出来事が混然と混じり合い、何とも言えない読み心地を感じさせます。クラブの後輩に恋をしている大学生の物語ですが、彼の恋心を弄ぶ…

『ぼくのメジャースプーン』:辻村深月【感想】|復讐は誰のため?

「あることをしなければ、あることが起きる」 物語の鍵となるのが「条件ゲーム提示能力」。この能力が、どれほど恐ろしい能力なのか。一見するとよく分かりません。冷静に考えると、人の心に直接影響を及ぼすのはとても危険です。読み進めていくと、徐々に気…

『きみにしか聞こえない』:乙一【感想】|彼女たちの苦しみは救われたのだろうか

乙一作品を読むのは、本作が初めてです。表題作を含む3篇の短編です。短編の中でも、かなり短い部類に入ると思います。登場人物は少なく、それほど複雑なストーリーでもありません。それぞれの短編に関係性がある訳でもないので、読み応えはそれほどないと…

定期「2018年11月(霜月)」の読書本

そろそろコートが必要になってきた11月。日が一層短くなり、寒さが日に日に身に沁みます。11月の読書本は7冊でした。あまり読めなかった印象です。11月のおすすめ度合いです。 おすすめ度★★★★★ 蜜蜂と遠雷 恩田 陸 おすすめ度★★★★ 夜の国のクーパー 伊坂幸…

『村上海賊の娘』:和田 竜【感想】|武士とは違う海賊の生き様

第11回本屋大賞受賞作。和田 竜の小説は「忍びの国」「小太郎の左腕」を読みました。それらに比べ、村上海賊の娘は超長編です。単行本で上下巻、文庫だと4巻に及びます。超長編ながら、気が付けば一気読みでした。 戦国時代の歴史小説だと、主人公は有名な…