晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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『invert 城塚翡翠倒叙集』:相沢 沙呼【感想】|すべてが、反転。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、相沢 沙呼さんの「invert 城塚翡翠倒叙集」の読書感想です。 2020年本屋大賞第6位に選ばれた「medium 霊媒探偵城塚翡翠」の続編です。中編の倒叙ミステリー集で、3編の物語で構成されています。倒叙ミステリー…

『なぜ秀吉は』:門井 慶喜【感想】|世のすべてを狂乱させる正気の人

ご覧いただきありがとうございます。今回は、門井 慶喜さんの「なぜ秀吉は」の読書感想です。 豊臣秀吉を描いた時代小説は多い。描かれ方も様々です。好意的に描かれることもあれば、冷酷で残忍な側面が描かれることもあります。多様な捉え方ができる人生と…

『52ヘルツのクジラたち』:町田 そのこ【感想】|何も届かない、何も届けられない

ご覧いただきありがとうございます。今回は、町田 そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」の読書感想です。 2021年本屋大賞受賞作。最初に気になるのがタイトルです。「52ヘルツのクジラ」とは何なのでしょうか。 物語の早い段階で、意味するところは語られま…

『ドクター・デスの遺産』:中山 七里【感想】|生きる権利と死ぬ権利が平等にある

ご覧いただきありがとうございます。今回は、中山 七里さんの「ドクター・デスの遺産」の読書感想です。 犬養隼人シリーズの第4作目です。刑事もののミステリーですが、本作では安楽死をテーマに生きる権利と死ぬ権利について深く踏み込んでいます。 姿の見…

『クスノキの番人』:東野 圭吾【感想】|その木に祈れば、願いが叶う

ご覧いただきありがとうございます。今回は、東野 圭吾さんの「クスノキの番人」の読書感想です。 クスノキに秘められた謎が重要な要素ですが、ミステリーでははなくヒューマンドラマの印象が強い。登場人物の心の機微が丁寧に描かれているからでしょう。読…

『オルタネート』:加藤シゲアキ【感想】|私は、私を育てていく。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、加藤シゲアキさんの「オルタネート」の読書感想です。 2021年本屋大賞第8位。第164回直木賞候補にも選出されています。三人の高校生(一人は中退している)が主人公の群像劇です。 三人の物語は独立しているよう…

『犬がいた季節』:伊吹 有喜【感想】|18歳。その迷いも覚悟も希望も。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、伊吹 有喜さんの「犬がいた季節」の読書感想です。 2021年本屋大賞第3位。6つの物語で構成される連作短編集です。 八稜高校に飼われることになった白い犬「コーシロー」の目を通して描かれる高校生たちが主人公…

『一人称単数』:村上 春樹【感想】|世界は流れていく 物語が光景をとどめる

ご覧いただきありがとうございます。今回は、村上 春樹氏の「一人称単数」の読書感想です。 八編の短編集です。表題作「一人称単数」のみ書き下ろしであり、他は文學界で発表された作品です。各短編に関連性はなく、完全に独立しています。なので、それぞれ…

『パズル・パレス』:ダン・ブラウン【感想】|史上最大の諜報機関にして、暗号学の最高峰

ご覧いただきありがとうございます。今回は、ダン・ブラウン氏の「パズル・パレス」の読書感想です。 ダン・ブラウンのデビュー作品です。その後の「天使と悪魔」、「ダ・ヴィンチ・コード」で一気に世界中で人気の小説家になります。 本作はフィクションの…

『悪と仮面のルール』:中村 文則【感想】|悪とは何か

ご覧いただきありがとうございます。今回は、中村 文則さんの「悪と仮面のルール」の読書感想です。 玉木宏主演で映画化されていますが、あくまで小説についての感想です。 タイトルを見ると、人間の負の側面を描き出している作品だと想像します。悪と言って…

『アクセル・ワールド 3~4(略奪者編)』:川原 礫【感想】

ご覧いただきありがとうございます。今回は、川原 礫さんの「アクセルワールド3~4」の読書感想です。 3巻と4巻を通じて描かれるのは、春雪たちと略奪者ダスク・テイカーの戦いです。両者は、現実世界と仮想世界の両方で戦います。その過程で加速世界の…

『アルルカンと道化師』:池井戸 潤【感想】|探偵半沢、絵画の謎に挑む。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、池井戸 潤さんの「アルルカンと道化師」の読書感想です。 2020年9月17日に発刊された半沢直樹シリーズの五作目です。半沢が東京中央銀行大阪西支店に転勤した直後が舞台なので、第一作「オレたちバブル入行組」の…