こんにちは。本日は、奥田英朗氏の「罪の轍」の感想です。 600ページ近い長編の警察小説ですが、一気に読み切ってしまうほど引き込まれます。事件を解決するだけのミステリーではありません。登場人物たちの心象や人生の背景が見事に作り上げられています。…
こんにちは。本日は、デイル・ドーテン氏の「仕事は楽しいかね? 2」の感想です。 「仕事は楽しいかね」の続編です。仕事は楽しいこともあれば、辛いこともあります。楽しいかどうかは「やりがいがあるかどうか」と「達成感があるかどうか」だろう。もちろ…
こんにちは。本日は、アルベール・カミュの「ペスト」の感想です。 新型コロナウィルスの世界的流行により、カミュのペストが俄かに注目を浴びています。発行部数は100万部を超えました。新型コロナとペストを繋ぎ合わせてしまうほど、コロナに対する不安は…
こんにちは。本日は、 川越宗一氏の「熱源」の感想です。 第162回直木賞受賞作。2020年本屋大賞第5位。 民族・文明・国家など多くの要素を含んだ重厚な作品です。樺太アイヌという国を持たない民族が、国家や文明に翻弄されていきます。人として、また民族…
こんにちは。本日は、百田尚樹氏の「日本国紀」の感想です。 百田氏は言動が目立つので、批判を集めることも多い。放送作家で「探偵ナイトスクープ」のチーフライターを25年務めていたので、人の関心を集める手法に長けているのだろう。好き嫌いがはっきり分…
こんにちは。本日は、東野圭吾氏の「どちらかが彼女を殺した」の感想です。 加賀恭一郎シリーズの三作目。本作の視点は加賀恭一郎ではありません。被害者の兄「和泉康正」です。彼は愛知県警豊橋警察署の交通課に勤務しています。殺された和泉園子はたった一…
こんにちは。本日は、ティムール・ヴェルメシュ氏の「帰ってきたヒトラー」の感想です。 ドイツで250万部を売り上げ、映画では240万人を動員しています。好意的な評価ばかりではないにしても、それだけ人々の関心を引いた。 ドイツ人にとってヒトラーとはど…
こんにちは。本日は、メンタリストDaiGo氏の「人を操る禁断の文章術」の感想です。 とても実用的な内容です。文章を作成する時の目的を明確化しています。本書の目的を簡潔に言ってしまえば、 読む⇒言葉に反応する⇒想像する⇒行動を起こす このサイクルを起こ…
こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「AX」の感想です。 「グラスホッパー」「マリアビートル」に続く、殺し屋シリーズの第三弾。シリーズといっても物語が直接的に繋がっている訳ではありません。前二作の登場人物も物語の中で登場する、緩めのクロスオー…
こんにちは。本日は、有川 浩さんの「レインツリーの国」の感想です。 有川 浩さんの作品を読むのは2年振りくらいでしょうか。自衛隊三部作のような恋愛小説もあれば、旅猫リポートにようなヒューマンドラマ(猫ですが)もあります。電撃小説大賞から作家を…
こんにちは。本日は、松原 隆彦氏の「文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る」の感想です。 著者の経歴を見ると、本書の内容に付いていけるか心配になります。ただ、タイトルどおり「文系でもよくわかる」なら大丈夫だろう。そう思いながら読み始め…
こんにちは。本日は、円城 塔氏の「Self-Reference ENGINE」の感想です。 円城 塔氏の作品は三作目です。既読は、芥川賞受賞作の「道化師の蝶」と伊藤計劃氏との共著「屍者の帝国」です。「屍者の帝国」は共著というより、ほぼ円城 塔氏の作品だと認識してい…