晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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『逆ソクラテス』:伊坂幸太郎【感想】|敵は、先入観。世界をひっくり返せ!

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「逆ソクラテス」の感想です。 伊坂幸太郎の作家デビュー20周年に発刊された5編の短編集です。各短編に直接的な関係性は薄い。共通する登場人物もいますが、連作短編集とは言えないだろう。それぞれの短編はそれぞれで完…

『楽園のカンヴァス』:原田マハ【感想】|カンヴァスに篭めた想いとは

こんにちは。本日は、原田マハさんの「楽園のカンヴァス」の感想です。 普段、美術館や展覧会を訪れることはあまりありません。モダンアートの良さを理解する審美眼も乏しいと感じています。そんな私でも、本作には引き込まれていきます。 主人公は「ティム…

『四畳半神話大系』:森見登美彦【感想】|不毛と愚行の青春奇譚

こんにちは。本日は、森見登美彦氏の「四畳半神話大系」の感想です。 森見登美彦氏らしい独特の世界観です。京都を舞台に、くされ大学生の一人称で物語は進みます。 彼は大学3回生でありながら、何も成し遂げていません。どうにもならない救いがたい状況で…

『十字架のカルテ』:知念実希人【感想】|罪を犯した本当の理由とは

こんにちは。本日は、知念実希人氏の「十字架のカルテ」の感想です。 精神疾患と刑法を扱った小説は多々あります。重大犯罪が起きると、刑法39条に焦点が当たります。 心神喪失者の行為は、罰しない。 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。 この条文に当…

『悪意』:東野圭吾【感想】|犯人が決して語らぬ動機

こんにちは。本日は、東野圭吾氏の「悪意」の感想です。 加賀恭一郎シリーズ第4作。ひとつの事件が、加賀と野々口のふたつの視点で描かれます。同じ事件であっても、それぞれの立場では全く違う見え方がします。事件の当事者なら誘導することも可能だろう。…

『さまよう刃』:東野圭吾【感想】|正義とは何か。

こんにちは。本日が、東野圭吾氏の「さまよう刃」の感想です。 娘を陵辱され尊厳を奪われ無惨に殺された父親の復讐劇です。犯人を未成年にすることで少年法についての問題提起も含んでいるのだろう。未成年であることが、復讐を決意する大きな要素にもなって…

『宇宙の孤児』:ロバート・A・ハインライン【感想】|宇宙船の外側には・・・

こんにちは。本日は、ロバート・A・ハインライン氏の「宇宙の孤児」の感想です。 1963年に刊行された作品です。原題は「Orphans of the Sky」。「宇宙の孤児」という和訳は、本作の本質を言い表しています。また、どんな内容だろうと期待させる。第一部の「…

『不祥事』:池井戸 潤【感想】|銀行にあるもの「カネと謎」。ないもの「情と常識」。

こんにちは。本日は、池井戸 潤氏の「不祥事」の感想です。 爽快感の中に人生の悲哀も描かれます。舞台は東京第一銀行です。言うまでもなく、半沢直樹の舞台になった東京中央銀行の合併前の銀行のひとつです。ちなみに、もうひとつは産業中央銀行です。 八編…

『緋色の研究』:アーサー・コナン・ドイル【感想】

こんにちは。本日は、コナン・ドイルの「緋色の研究」の感想です。 シャーロック・ホームズが初めて登場した小説で、ワトソンとの出会いも描かれています。1886年に執筆され、1887年に発表されています。 シャーロック・ホームズは数々の映画になり、ドラマ…

『ホワイトラビット』:伊坂幸太郎【感想】|全てを、疑え!

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「ホワイトラビット」の感想です。 久しぶりに黒澤が登場します。伊坂作品の中でも特に魅力的な人物です。彼がいるだけで先の展開が読めなくなります。また、物語に期待してしまいます。 誘拐ビジネスから始まります。ミ…

『話を聞かない男、地図が読めない女』:アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ【感想】

こんにちは。本日は、「話を聞かない男、地図が読めない女」の感想です。 かなり前ですが、話題になった本です。日本で200万部、世界で600万部を発行した超ベストセラーです。タイトルに共感する人も多いと思います。もちろん、当てはまらない人にとっては違…

『ライオンのおやつ』:小川 糸【感想】|人生の最後に食べたい”おやつ”は、なんですか

こんにちは。本日は、小川 糸さんの「ライオンのおやつ」の感想です。 2020年本屋大賞第2位。余命僅かながん患者「海野雫」の人生の終末を描いた物語です。タイトルからは全く想像できなかった内容でした。 舞台はホスピスです。積極的な治療では治らない患…