2017-01-01から1年間の記事一覧
タイトルと表紙に描かれている戦闘機とパイロットの姿。どんな話かもよく知らずに、何となく表紙が気になり買ってしまいました。著者が有川浩氏というのも、購入する気になった理由の一つですが。表紙と帯を見た限りでは、P免(パイロットを罷免された人の…
今となっては話題にも上らない「佐村河内事件」です。先日、図書館に出かけた際、書棚を見ていたらたまたま目に入って借りてしまいました。もう3年程前の事件です。当時はあまり興味がありませんでした。全聾の天才作曲家にゴーストライターがいた、今まで…
正式なタイトルは、「墜落の夏ー日航123便事故全記録」です。タイトルの通り、1985年8月12日に起こった日本航空123便墜落事故のノンフィクションです。当時、私は小学生だったので事故の記憶はあります。しかし、詳細は知りませんでした。毎年、この日にな…
こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「陽気なギャングが地球を回す」の感想です。 伊坂幸太郎氏の長編小説3作目。軽快なテンポと軽妙な台詞、複雑に張り巡らされた伏線と回収、結末を予想させないストーリー展開と鮮やかな終結に引き込まれます。 銀行強盗…
第153回直木賞受賞作です。芥川賞を受賞したピース又吉さんに注目が集まってしまい、羽田圭介さんとともにちょっと印象が薄くなってしまった感じがします。しかし、「流」は重厚で読み応えがあり心に響きます。読後に、表紙カバーの山東省の荒涼とした風景を…
東野圭吾の頭には、どれほどのアイデアが詰まっているのでしょうか。あれだけの量の小説を書き続けながらも、まだこれだけのアイデアを駆使した小説を書くのだから本当に驚きです。著者は「夢幻花」について、「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない 」…
児童文学として執筆されたファンタジー小説。「精霊の守り人」は、綾瀬はるか主演でNHKドラマで放映されていました。小説を読んでいなくてもドラマで知っているという方もいるでしょう。この小説は児童文学というジャンルで収まるものではありません。も…
文庫版を1年くらい前に購入していたのですが6冊というボリュームから、なかなか手が出ず積読状態になっていた小説です。ようやく読み始めましたが、もっと早くに読めば良かったと後悔しました。それくらい夢中になって読める作品です。超長編なのですが、…
第146回芥川賞の受賞作。田中慎弥さんの「共喰い」と同時受賞です。円城塔氏の作品は、伊藤計劃氏との共作「屍者の帝国」を以前に読んだことがあるだけでした。その感想はいずれ書こうと思っていますが、文章表現がかなり難解でした。 「道化師の蝶」を読む…
実に爽快で分かりやすく引き込まれる作品です。主役の速水晃一がかっこよすぎるくらいかっこいい。ジェネラルの称号にも納得の存在感と威厳です。もともと「ジェネラル・ルージュの凱旋」と前作の「ナイチンゲールの沈黙」は一つの物語として執筆されていた…
映画「忍びの国」を観てきました。 小説がかなり面白かった(私の感想ですが)ので、公開されたらすぐに観に行こうと思っていましたがなかなか忙しく、ようやく見に行くことができました。「忍びの国」はもともとオリジナル脚本として書かれ、それをベースに…
前作「チーム・バチスタの栄光」の続編となっていますが、前作から9か月後の話であり事件自体が継続しているわけではありません。東城医大を舞台にした新しい話です。 前作が評価が高かったので期待して読みましたが、何となく消化不良というかイマイチでし…
読んでみて最初の感想は、読めば読むほど納得させられる思いでした。この本はおそらく本を読まない人、もしくはほとんど読まない人に対して書かれているのでしょう。そもそも、そういう人がこの本を手にするかどうかも疑問ですが。 それはさておき、この本は…
とにかく面白かった。通勤中の電車の中で読んでいたのですが、顔が笑っていたかもしれません。変な人に思われたかも・・・。 5つの短編からなる物語で、一話完結で読みやすい。悩みを抱えた5人の患者と、とんでもなく変な精神科医のドタバタ劇に引き込まれ…
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の内容 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の感想 近未来SF 人間が人間である意味 終わりに 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の内容 長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残った…
あらすじを見る限り、殺人事件の犯人の行方と「怒」という文字の意味を解き明かしていくミステリー小説と思って読み始めました。しかし、小説の導入部分で殺人事件が起こり犯人が「山神一也」と判明した後は、全くの予想外の展開が始まりました。 「怒り」の…
「沈まぬ太陽(会長室篇)」の内容 「沈まぬ太陽(会長室篇)」の感想 善と悪 単純に区分していいのか 終わりに 「沈まぬ太陽(会長室篇)」の内容 「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だ…
「沈まぬ太陽」は、取材に基づいた事実と創作が入り混じった小説です。「御巣鷹山篇」は、昭和60年に起こった日本航空123便墜落事故であることは明らかです。主人公の恩地のモデルとなった小倉寛太郎は、この墜落事故には関わっていません。彼をモデルにした…
「この作品は、多数の関係者を取材したもので、登場人物、 各機関・組織なども事実に基づき、小説的に再構築したものである」 「事実に基づき、小説的に」という言い方が微妙です。事実に基づいているが、創作されている部分もあるということでしょうか。た…
史上初の江戸川乱歩賞と直木賞のW受賞作品です。藤原伊織さんはすでに死去されています。ミステリーなので、ネタバレなしを心掛けます。 「テロリストのパラソル」の内容 「テロリストのパラソル」の感想 ハードボイルド小説 世界が狭い アウトローたち 終わ…
「ブレイブ・ストーリー」の内容 「ブレイブ・ストーリー」の感想 ファンタジー世界 絡まり合うストーリー 終わりに 「ブレイブ・ストーリー」の内容 小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。大きな団地に住み、ともに新設校に通…
「希望の国のエクソダス」の内容 「希望の国のエクソダス」の感想 時代背景が重要 期待度は高かった 終わりに 「希望の国のエクソダス」の内容 2002年秋、80万人の中学生が学校を捨てた。経済の大停滞が続くなか彼らはネットビジネスを開始、情報戦略を駆使…
映画が先か小説が先か悩んだ末に、小説を先に読みました。史実にある「天正伊賀の乱」を背景に描かれているので、フィクションでありながら物語にリアリティが伴います。最後の最後まで手に汗を握ります。歴史小説というよりは、極上のエンターテイメント作…
「チーム・バチスタの栄光」の内容 「チーム・バチスタの栄光」の感想 登場人物が濃い 医療ミステリー 終わりに 「チーム・バチスタの栄光」の内容 東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器制御外科助教授として招…
こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「ラッシュライフ」の感想です。 伊坂幸太郎氏の第2作目です。前作「オーデュボンの祈り」でも感じましたが、彼の作品はまるでジグソーパズルが作られていくような感覚です。いろんなピースが嵌まっていき、最後に一つの…
「ヒートアイランド」の内容 「ヒートアイランド」の感想 伝わる緊張感 ストリートギャング 前半のテンポ 終わりに 「ヒートアイランド」の内容 渋谷でファイトパーティーを開き、トップにのし上がったストリートギャング雅。頭のアキとカオルは、仲間が持ち…
「オレたち花のバブル組」の内容 「オレたち花のバブル組」の感想 善と悪の明確化 交錯する思惑 隠された陰謀 終わりに 「オレたち花のバブル組」の内容 「バブル入社組」世代の苦悩と闘いを鮮やかに描く。巨額損失を出した一族経営の老舗ホテルの再建を押し…
「オレたちバブル入行組」の内容 「オレたちバブル入行組」の感想 ドラマと重なる 爽快感とともに 終わりに 「オレたちバブル入行組」の内容 大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が…
こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「オーデュボンの祈り」の感想です。 人気作家である伊坂幸太郎さんのデビュー作です。この作品で第5回新潮ミステリー倶楽部賞(平成12年)を受賞しています。 私が初めて読んだ伊坂幸太郎さんの本が「オーデュボンの祈り…
こんにちは。本日は、東野圭吾氏の「流星の絆」の感想です。 「流星の絆」の内容 「流星の絆」の感想 狂わされた人生 復讐計画 終わりに 「流星の絆」の内容 何者かに両親を惨殺された三兄妹は、流れ星に仇討ちを誓う。14年後、互いのことだけを信じ、世間を…