晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

ーおすすめ記事ー
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2020-01-01から1年間の記事一覧

定期「2020年3月(弥生)」の読書本

段々と暖かくなっていく季節。爽やかな季節のはずが、世間はコロナで・・・。 三月の読書本は、8作品でした。私のおすすめ度です。 おすすめ度★★★★★ ペンギン・ハイウェイ 森見 登美彦 クドリャフカの順番 米澤穂信 おすすめ度★★★★ アクセル・ワールド 01 …

『ペンギン・ハイウェイ』:森見 登美彦【感想】|ぼくは知りたい。

こんにちは。本日は、森見 登美彦氏の「ペンギン・ハイウェイ」の感想です。 森見登美彦氏の小説は、現実世界とファンタジーが混ざり合い独特の世界観を生み出します。「ペンギン・ハイウェイ」はアニメ映画化されていますが、未視聴なので比較はできません…

『パラレルワールド・ラブストーリー』:東野圭吾【感想】|真実の世界はどっちだ?

こんにちは。本日は、東野圭吾氏の「パラレルワールド・ラブストーリー」の感想です。 2019年に公開された同名映画の原作小説です。小説の発刊は1995年なので、映画は最近ですが小説はかなり昔です。恋愛小説とミステリー小説を組み合わせた内容です。映画は…

『アクセル・ワールド 01 黒雪姫の帰還』:川原 礫【感想】

こんにちは。本日は、川原 礫氏の「アクセル・ワールド01 黒雪姫の帰還」の感想です。 本作は第15回電撃小説大賞「大賞」受賞作です。川原 礫氏の「ソードアート・オンライン」を読んで、「アクセル・ワールド」も読み始めました。いまさら感もありますが。 …

『時限病棟』:知念 実希人【感想】|タイムリミットは6時間。脱出できるのか

本日は、知念 実希人氏の「時限病棟」の感想です。ネタバレもありますので、未読の方はご注意ください。 仮面病棟の続編のように見えますが、ストーリーは繋がっていません。両者に共通するのは、舞台が田所病院であることとピエロが鍵のふたつです。この二…

『ジャイロスコープ』:伊坂幸太郎【感想】|文庫オリジナル短編集

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「ジャイロスコープ」の感想です。 デビュー15周年という節目を記念して発刊された文庫オリジナルの短編集。ジャイロスコープのために書き下ろされたのは、最終話「後ろの声がうるさい」のみです。他の短編はアンソロジー…

『遠まわりする雛』:米澤穂信【感想 後半】|奉太郎たちの一年間の軌跡

【感想 前半】に続く、後半の四短編の感想です。 「遠まわりする雛」の内容 「遠まわりする雛」の感想 心あたりのある者は あきましておめでとう 手作りチョコレート事件 遠まわりする雛 終わりに 「遠まわりする雛」の内容 省エネをモットーとする折木奉太…

『遠まわりする雛』:米澤穂信【感想 前半】|奉太郎たちの一年間の軌跡

こんにちは。本日は、米澤穂信氏の「遠まわりする雛」の感想です。 古典部シリーズの四作目。シリーズ初の短編集です。神山高校入学後、奉太郎たちの一年間を短編で綴ります。「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」は文化祭(通称カンヤ祭)…

定期「2020年2月(如月)」の読書本

2月の読書本は6作品、8冊でした。「ホモ・デウス」が読み応えがあったので、作品数は少なめでした。 2月の読書本のおすすめ度合いです。 「おすすめ度★★★★★」はありません。 おすすめ度★★★★ 火星に住むつもりかい? 伊坂幸太郎 おすすめ度★★★ 卒業 東野…

『フランス革命 ー歴史における劇薬ー』:遅塚 忠躬【感想】

こんにちは。本日は、遅塚 忠躬氏の「フランス革命 ー歴史における劇薬ー」の感想です。 以前、佐藤賢一著「ナポレオン」を読みました。フランス革命はナポレオンを歴史に登場させた要因のひとつです。フランス革命の一連の流れの中にナポレオンは存在します…

『クドリャフカの順番』:米澤穂信【感想】|十文字事件と文集「氷菓」は結末は・・・

こんにちは。本日は、米澤穂信氏の「クドリャフカの順番」の感想です。 古典部シリーズの第三作目。「氷菓」「愚者のエンドロール」で鍵となった神山高校文化祭(通称カンヤ祭)が舞台です。「クドリャフカの順番」を含めて、ひとつの流れになっています。 …

『ICO -霧の城-』:宮部みゆき【感想】|ぼくが君を守る。だから手を離さないで

こんにちは。本日は、宮部みゆきさんの「ICO -霧の城-」の感想です。 文庫の巻末にある米光一成氏の解説で、本作がゲームのノベライズであることを知りました。あまりゲームをしないので、初めて聞くゲームの名前です。ノベライズされるほどのストーリー性を…

『クローズド・ノート』:雫井脩介【感想】|そのノートが開かれたとき・・・

こんにちは。本日は、雫井脩介氏の「クローズド・ノート」の感想です。 携帯電話サイトで配信されていた作品のようです。私にとってはあまり馴染みのない媒体です。映画化もされています。 タイトルを聞いて思い浮かべるのは映画の初日舞台挨拶です。沢尻エ…

『火星に住むつもりかい?』:伊坂幸太郎【感想】|世の中にはいろんな「正義」ばかり。

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「火星に住むつもりかい?」の感想です。 タイトルからは予想できない内容です。仙台を舞台に監視社会や国家権力の恐ろしさが描かれます。物語の冒頭は、中世の魔女狩りを連想させながら恐ろしい状況が続きます。現代の魔…

『夏への扉』:ロバート・A・ハインライン【感想】|かくいうぼくも、夏への扉を探していた

こんにちは。本日は、ロバート・A・ハインライン氏の「夏への扉」の感想です。 SFの名作と言われています。1956年発表なので古典作品になるでしょうか。ロバート・A・ハインライン、アーサー・C・クラーク、アイザック・アシモフはビッグ・スリーと称され…

『卒業』:東野圭吾【感想】|刑事前夜、最初の事件

こんにちは。本日は、東野圭吾氏の「卒業」の感想です。 加賀恭一郎シリーズの第一作目。東野圭吾らしい読みやすい文章ですが、ミステリーのトリックは複雑です。それを読み応えと捉えるかどうかです。 刑事でも職業探偵でもなく、大学生の加賀が事件の謎を…

定期「2020年1月(睦月)」の読書本

2020年最初の月の読書本です。今年は去年よりも多くの本を読み、多くの感動を受けたいと思っています。読む本は相変わらず小説に偏ると思いますが。 1月の読書本は9作品です。 おすすめ度★★★★★ ある男 平野 啓一郎 わたしを離さないで カズオ・イシグロ お…

『ホモ・デウス 下:テクノロジーとサピエンスの未来』:ユヴァル・ノア・ハラリ【感想】

こんにちは。本日は、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の「ホモ・デウス 下:テクノロジーとサピエンスの未来」の感想です。 人間至上主義の次は、何の時代が来るのでしょうか。人工知能や遺伝子工学など人間を分析できるテクノロジーが人間の優位性を根拠のないも…

『ホモ・デウス 上:テクノロジーとサピエンスの未来』:ユヴァル・ノア・ハラリ【感想】

こんにちは。本日は、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の「ホモ・デウス 上:テクノロジーとサピエンスの未来」の感想です。 「サピエンス全史」で世界的に注目された、ユヴァル・ノア・ハラリの著書です。「サピエンス全史」は既読ですが、なかなか理解しにくい部…

『ベルリンは晴れているか』:深緑 野分【感想】|瓦礫の街で彼女の目に映る空は何色か

こんにちは。本日は、深緑 野分さんの「ベルリンは晴れているか」の感想です。 2019年本屋大賞第3位 第160回直木賞候補 「このミステリーがすごい!2019年版」第2位 書き出せばキリがないくらい高い評価を得ています。第二次世界大戦後のドイツを舞台にし…

『疑う力』:堀江貴文【感想】|「常識」の99%はウソである

堀江貴文らしいインパクトのあるタイトルです。「常識の99%はウソである」という言葉は意味が深い。100%嘘なら信じなければいいだけですが、1%でも真実が含まれているなら見極める力が必要になります。すなわち「疑う力」を養わなければなりません。 一冊…

『V.T.R.』:辻村深月【感想】|アタシはあなたを愛してる

「スロウハイツの神様」に登場した人気作家「チヨダ・コーキ」のデビュー作という設定です。作中作家の作品なので、チヨダ・コーキの個性を意識しているのが感じ取れます。中高生向けのライトノベル風でありボリュームも少ない。 『スロウハイツの神様』:辻…

『愛なき世界』:三浦しをん【感想】|恋のライバルは草でした

こんにちは。本日は、三浦しをんさんの「愛なき世界」の感想です。 タイトルを見ると、人間の内面性を描いた重厚で考えさせられる作品だと思わせます。実際に読んでみると、かなりライトな印象です。文章が読みやすいし、テンポもいいからかもしれません。た…

『超筋トレが最強のソリューションである』筋肉が人生を変える超科学的な理由【感想】

筋トレの指南本ではなく、筋トレの素晴らしさを語りかけてきます。筋トレに対する愛を感じます。その上で面白い。著者の経験から、筋トレが人生に与えるポジティブな面を真正面から伝えています。 筋トレと健康 筋トレとスポーツ 筋トレとダイエット 筋トレ…

『わたしを離さないで』:カズオ・イシグロ【感想】|彼女たちの人生の意味は・・・

カズオ・イシグロの作品を読むのは3作目になります。綾瀬はるか主演でドラマ化されており、映画化もされています。内容は何となく知っていましたが、読んでみると登場人物の心の内が想像以上に奥深い。原文でなく日本語訳なので、カズオ・イシグロの文体・…

定期「2019年12月(師走)」の読書本

平成から令和へと変わった2019年も最後の月です。1年を振り返ると、いろんなことがあったなと思います。12月の読書本は9作品、13冊です。では、12月のおすすめ度合いです。 おすすめ度★★★★★ 有頂天家族 森見登美彦 キャプテンサンダーボルト 阿部和重、伊…

『ひと』:小野寺 史宜【感想】|たった一人になった。でも、ひとりきりじゃなかった。

こんにちは。本日は、小野寺 史宜氏の「ひと」の感想です。 2019年本屋大賞第2位。人との繋がりを描いた作品です。生きていく上で大事なものはいろいろありますが、人との繋がりもそのうちの一つです。誰にも関わらず、たった一人で生きていくことは難しい…

『モチベーション革命』:尾原 和啓【感想】|輝く若者のモチベーションマネージメント

「モチベーション」はよく聞く言葉です。やる気・意欲・目的意識といったところでしょうか。人生を充実させるためには重要な要素です。何のために生きるのか。どのように行動するのかは人生の命題です。 仕事に対するモチベーションも重要です。人生において…

『ある男』:平野 啓一郎【感想】|愛したはずの夫はまったくの別人だった

こんにちは。本日は、平野 啓一郎氏の「ある男」の感想です。 2019年本屋大賞第5位。過去が人を形作るならば、人を愛することは積み上げてきた過去も含めて愛することになります。偽りの過去であったならば、現在の愛はどうなるのか。そもそも愛の対象とは…